認知症の人の一人暮らしの限界をどうやって見極めればいい?

認知症

核家族化が進んだ近年では、一人暮らしの高齢者が認知症を発症するケースも多いです。
認知症患者の一人暮らしの限界は、どのように見極めれば良いのでしょうか。

今回は、認知症の人の一人暮らしの限界を見極める目安となるサインと、一人暮らしの認知症の人に起こりやすいトラブルについてご紹介します。

認知症の人が一人で暮らすと起こりやすいトラブルとは?

認知症を発症すると徐々に認知機能が低下し、生活するなかで、以下のようなトラブルが起こりやすくなります

日常的な家事のミスや、火の不始末

認知症の初期症状として現れやすいのが、注意散漫から来る家事のちょっとしたミスや、調理していたことを忘れてしまうことによる火の不始末です。

また、暖房器具タバコの消し忘れも起こりやすくなるため、火事で命を落とすリスクも高くなります

過食や拒食、極端な偏食などによる健康状態の悪化

食事に興味を失ったり、逆に同じものばかり食べ続けるなどの食事のトラブルも、認知症の初期症状として起こりやすいです。

独り暮らしだと、本人以外に食事内容に配慮する人がいないため、いつの間にか不健康な食生活に陥って別の病気の原因となることもあります。

服薬管理ができないことによる、健康状態の悪化

持病のために、日常的に薬を飲んでいる高齢者は多いですが、認知症になると薬を飲むべきタイミングや量がわからなくなり、適切に服薬ができなくなります

服薬が適切でないと、低血糖発作や血圧の急降下による意識障害など、命にかかわるほど健康状態が悪化するケースも起こり得るのです。

排泄のトラブル

認知症が進行すると、排泄にトラブルが生じて尿や便を失禁したり、汚してしまった下着を変えられず不衛生な状態で居続けるなどのトラブルも発生します。

また排泄のトラブルは、不衛生なだけでなく長期間の便秘から腸閉塞を引き起こしたり、本人の尊厳を著しく傷つけるリスクにもなり得ます。

生活資金の滞納や、詐欺被害など金銭トラブル

認知症を発症すると、認知機能の低下から金銭管理がうまくできなくなります。家賃や水道料金など生活資金の滞納や、詐欺や高額商品の押し売りにあったことから、認知症が発覚するケースも多いです。

家庭内、または外出先での失踪や事故

認知症が進行すると、次第に体のコントロールも効きにくくなり、家のなかや外出先で転んでケガをするケースも多くなります

また自分の置かれている状況がわからなくなり、外出先で道に迷ったり、交通事故を起こしたり、不適切な服装で倒れるなどのトラブルに遭遇することも増えてくるでしょう。

ご近所とのトラブル

認知症が進行すると、地域のルールを守れなくなり、妄想の症状も現れてきます

誰も認知症に気づけないまま、近隣住民への被害妄想物盗られ妄想が膨らんでいき、重大なご近所トラブルになってから認知症が発覚するケースも少なくないのです。

関連記事:認知症で起こる見当識障害ってどんなもの?どうやって対応すればいい?

一人暮らしの限界のサインとは?

以下のようなサインが現れている場合は、「一人暮らしを続けることが不可能なほど認知症が進行している」と考えましょう。

高齢者の一人暮らしが限界であることを示すサイン
  • 服装やエアコンを調整できないことによる、脱水症状や熱中症を繰り返している
  • 食事をうまく摂れない、むせることが多くなり誤嚥性肺炎を繰り返している
  • 上記のような理由から、入退院を繰り返している
  • 外出先で道がわからなくなり、一人で帰ってこられなくなった
  • 火や暖房器具の消し忘れや、調理中の物忘れが見られる
  • 冷蔵庫の中に、賞味期限切れの食品がたくさん入っている
  • 日常的に飲んでいる薬があるが、薬を飲み忘れるなど管理ができていない
  • ここ何年かの間に、配偶者や家族同然のペットを亡くしている
  • 一人暮らしへの不満や不安、寂しさなどを口にしている

上のような、初期~中期の認知症症状を発している人のなかには「自分はまだまだ大丈夫」「一人暮らしを続けたい」と主張する人も、多くいらっしゃいます。

しかし、いつ失踪や外出先でのトラブル・事故に巻き込まれ、緊急連絡が来るかもしれない状態で一人暮らしを続けさせるのは、本人はもちろん家族にとっても良くありません。

先述したサインのうち1つでも兆候が見られたら、本人の安全と家族の不安解消のためにも、要介護認定を受けることや介護サービスの導入を検討してください。

早めに介護サービスを取り入れ、介護施設などへの適応を始めておいた方が、本人にとって生活環境が変わることへの負担も少なくなります。

関連記事:一人暮らしの高齢者、家族はどう支援していくべき?

おわりに:生活の様子を観察して、早めに独り暮らしの限界を見極めよう

独り暮らしの高齢者が認知症を発症すると、食事や排泄、金銭管理やご近所との揉め事など、本人の健康と安定した生活を脅かすトラブルに見舞われるようになります。
火の不始末や薬の飲み忘れ、外出先で道がわからなくなるなどの症状が出ると、認知症が原因で命を落としてしまうかもしれません。

短絡的な入退院を繰り返し、物忘れで生活や服薬に支障が出ているようなら一人暮らしを続けるのは限界をむかえていますので、早めに介護サービスを導入しましょう。

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