認知症になると入浴拒否するのはなぜ?対応方法はある?

認知症

認知症を発症すると、入浴に強い拒否感を示し、拒絶するようになるケースは多いです。
定期的に気持ちよくお風呂に入ってもらい、認知症患者の衛生状態を良くするには、どう対応するのが良いのでしょうか。

今回は認知症の人が入浴を拒否する理由と、適切な対応方法・注意点を一緒に解説します。

認知症の人が入浴拒否する理由にはどんなものがある?

認知症の人が入浴を拒否するときには、本人なりの理由がある場合がほとんどです。
実際に認知症の人に多い入浴拒否の理由としては、以下が挙げられます。

  • 入浴やお風呂という言葉の意味、または行為の理由や段取りがわからなくなっている
  • 加齢によって体力がなくなり、お風呂に入ることそのものがおっくうで嫌いである
  • 見たいテレビや疲労、眠気などの理由から、いまお風呂に入るべきでないと考えている
  • 裸になること、または入浴介助で裸を見られることが恥ずかしい、怖い、嫌と感じている
  • お風呂に入っていないことを忘れている、または既に入ったと思い込んでいる
  • 過去に入浴を無理強いされた経験があり、入浴行為に対し嫌な感情を持っている
  • 年齢や認知症の有無にかかわらず、もともとお風呂が苦手、嫌いな人物である

入浴拒否にはどうやって対応すればいい?

認知症の人の入浴拒否への適切な対応法は、「本人が納得して入浴する」ようにうまく誘導することです。

基本的には本人のペースや気分に配慮して、無理には入浴させないようにしてください。
まず機嫌の良さそうなときに入浴に誘ってみて、それでも本人が拒否するようなら、一旦引き下がります。

その後、本人の状態にあわせ以下のような方法で入浴へと誘導してみるのが良いでしょう。

もともとお風呂が好きで、意味を理解しているようなら…

「一番風呂」「温泉」「背中を流してあげる」など、本人が興味を持って自発的に入浴したいと思うようなキーワードを、組み合わせて誘ってみましょう。また記憶を刺激し、お風呂の気持ちよさを思い出してもらうために洗顔・洗髪したり、まずは手や足だけお湯につかってもらうのも効果的です。

他にも入浴を連想させる洗面器と石鹸・タオルのセットや、湯気の立った浴室、お風呂の写真などを見せると、入浴してくれる場合があります。

入浴の手順がわからず、お風呂に入りたがらないようなら…

お風呂に入るという行為の意味や、入浴の段取りがわからなくなっているようなら、介護者が「背中を流してあげる」「一緒に入りたいから」などと声をかけてみましょう。

入浴行為そのものへの不安や疑問が和らぐと、入浴してくれることがあります。

もともとお風呂が嫌い、裸や入浴に嫌なイメージがあるようなら…

お風呂に嫌なイメージを持っていて入浴を渋る場合は「健康でいてほしいから」「明日の予定のために」などと、入浴の目的を付け加えるのが効果的です
またアイスクリームやコーヒー牛乳、お酒など、入浴後の楽しみを作ることで、お風呂に対するマイナスイメージが軽減されて入浴するようになる人もいます。

裸になることに抵抗や恥ずかしさがあるようなら、介護者が率先して裸になることで安心して入ってもらえるようになりますよ。

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入浴介助のときの注意点は?

高齢の認知症患者の入浴介助には、常にケガや突然死のリスクがつきまといます。
家族が自宅で認知症の人の入浴介助をするときは、以下のポイントに注意が必要です。

入浴介助のときに、気を付けるべきポイント

可能な限り安全に入浴できる浴室環境を整える
床にマットを敷いて滑り止め防止、段差をなくし手すりをつけて転倒防止、ヒートショックによる突然死を防ぐため脱衣所を温めておく など
認知症の患者が1人でも入浴しやすい環境を作る
誤って熱湯や冷水を出してしまわないよう設定する、かみそりなど本人の入浴で使用しないものは片付けておく など
介助や見守りは最低限にとどめ、本人の自尊心に配慮する
できる限り自分で体を洗ってもらう、本人がいまできることを介護者が突然横取りしない など

入浴介助は、介護者にとって時間も体力も消耗する、大変な介護労働です。
いろいろ工夫をしても認知症患者が入浴拒絶を続けたり、介護者にとって入浴介助の身体的・精神的負担が大きいようなら、無理をせず介護サービスを利用しましょう

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おわりに:認知症患者の入浴拒否には、本人なりの理由がある

認知症になると、お風呂や裸になることへのマイナスイメージや記憶違いなどの理由から、入浴を拒否する人は多いです。介護する側から見れば非常にやっかいな入浴拒否ですが、本人なりの理由に配慮しつつ、入浴へと誘導することが求められます。ただ、どれだけ工夫をしても、本人が頑なに拒否して入浴介助がうまくいかないこともあります。そんなときは無理をせず、介護サービスを積極的に利用しましょう。

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