認知症の中核症状はなぜ起こるの?どうやって対応すればいい?

認知症

認知症によって現れる症状には「中核症状」と「周辺症状」の2種類があります。

今回は認知症による「中核症状」とは何かを、その発症原因と症状の具体例、適切な対応方法と一緒に解説していきます。

認知症の中核症状ってどんな症状のこと?

認知症は脳細胞が損傷・死滅し、少しずつ委縮することで脳の機能が低下していく病気です。
このため認知症を発症すると、脳の萎縮と機能低下によって起こる「中核症状」として、以下のような症状が現れてきます。

認知症の中核症状の具体例

記憶障害
直近の出来事から経験や約束を記憶できなくなり、やがては、しっかり覚えていた過去の出来事も忘れていってしまう症状
見当識障害
自分がいる場所や年月日・季節を含む時間、その目的、周辺の人との関係性などを把握できなくなる症状
理解力と判断力の低下
いつもとは違う状況や出来事、早口で言われたことなどを正しく理解できず、混乱してどう対応すべきか判断できなくなる症状
実行機能障害
そのときの状況や段取りに沿って物事の計画を立て、実行することができなくなる症状
失語
相手が言っていることの意味がうまく理解できない、また自分が言いたいことをうまく言葉にできなくなり、言語でのコミュニケーションが困難になる症状
失行、失認
日常的に行っていた動作の方法や段取りがわからなくなったり、見えているものや聞こえている音の理由や自分との関係・距離感などを理解できなくなる症状

なお、上記のような認知症の中核症状から混乱や不安を募らせると、妄想や抑うつ、暴力・暴言などの行動・精神症状を伴う「周辺症状」を発症することもあります。

認知症の種類ごとに対応方法が違うって本当?

前項でご紹介したような認知症による中核症状の現れ方は、発症している認知症の種類によって変化することがわかっています。
このため適切な対応の仕方も、認知症の種類によって大きく変わってくるのです。

以下からは認知症の4つの種類別に、それぞれの中核症状への適切な対応のポイントをご紹介していきます。

「アルツハイマー型認知症」による中核症状への対応ポイント

  • 本人に現状できることとできないこと、症状をまず見極める
  • できることを活かした役割や、本人にとって楽しめることを考え提供してあげる
  • 役割があること、できた・楽しめた経験が本人の自尊心保持につながると理解する
  • 一度できなくなってしまったことは回復しないので、無理にやらせない
  • ユーモアや感情は保たれていることを理解し、周囲との関係づくりを助ける

「血管性認知症」による中核症状への対応ポイント

  • 原因疾患である高血圧や糖尿病、心疾患の合併症・再発予防を第一に考える
  • 進行を遅らせるため、デイサービスなどへの参加も含め他者とのかかわりをつくる

「レビー小体型認知症」による中核症状への対応ポイント

  • パーキンソン症状を併発することが多いので、まずは転倒予防に注力すること
  • 混乱や興奮など精神症状が現れやすいが、状態が落ち着き周囲の状況を把握できるときには、進行を遅らせるためのプログラムなどに積極的に参加させる

「前頭側頭型認知症」による中核症状への対応ポイント

  • まず物事の見え方や出来事、経験から得た記憶は保たれやすいことを理解する
  • ルーティーンを好むようになる症状を利用し、食事や排泄など、日常生活に必要な行為を日々の行動パターンに取り入れて習慣化させておくと良い
  • 毎日同じコースを歩く周回をすることがあるが、危険が少なくきちんと帰ってくるようなら見守ることに徹し、本人の運動習慣として受けとめる

おわりに:認知症の中核症状は、脳の萎縮による機能低下から起こる

中核症状は認知症による脳細胞の損傷と委縮、脳機能の低下が原因で起こる症状のことです。具体的には記憶障害や見当識障害、実行機能障害、失語、失認、失行などが挙げられますが、その現れ方は発症している認知症の種類によって変わってきます。このため認知症の中核症状への対応方法も、認知症の種類によって変えるべきだと考えられています。本記事を参考に、認知症の種類ごとの中核症状への適切な対応方法を理解してくださいね。

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