認知症の症状と初期症状 「こんなサイン」に注意しよう!

認知症

認知症は、加齢や脳の病気が原因で脳が委縮し、機能が低下していく疾患です。
誰にでも発症する可能性がある病気ですが、初期にはどのような症状が現れるのでしょうか。

今回は認知症発症を知らせる初期症状について、発症のサインを受け取ったときにするべき対処とあわせて、解説していきます。

認知症の症状にはどんなものがあるの?

認知症になると、脳の機能低下によって起こる「中核症状」と、置かれている環境や過去の体験が影響して起こる「周辺症状」の2種類の症状が現れます。

認知症による代表的な中核症状、周辺症状は、それぞれ以下の通りです。

認知症によって現れる「中核症状」の具体例
  • 体験や出来事そのものを、丸ごと忘れてしまうような記憶障害
  • 自分の現在地や今日の日付、季節などがわからなくなる見当識障害
  • 物事を計画し、段取りよく実行できなくなる実行機能障害
  • 判断力、理解力の低下によって起こる社会生活の困難 など
認知症によって現れる「周辺症状」の具体例
  • 勝手に部屋から出たり、外出したりして家の内外をさまよう徘徊
  • 食事の仕方や、食べ物を認識できなくなることによる拒食や過食
  • 存在しないものが見えたり、思い込みが激しくなってしまう幻覚や妄想
  • 見知らぬ人や、身近な人に大切なモノを盗られたと思い込む物盗られ妄想
  • 相手の状態に関係なく話したり動いたりしてしまう、多弁や多動
  • 消化機能の低下、または排泄の手順や方法がわからなくなって起こる不潔行動
  • 環境の変化や、周囲の人たちへの不安・不満から起こる暴言や暴力 など

認知症になると、症状の進行度合いや本人の生活・バックグラウンドによって、実に多様な症状が現れるのです。

このため、1つ1つの症状を見ただけでは認知症の発症に気づけないことも少なくありません。

認知症と気づくきっかけにはどんな症状がある?

認知症患者の家族は、認知症の初期症状によって生じる日常生活のなかのちょっとした違和感から気がつくケースが多いといわれています。

具体的には、認知症の中核症状によって起こる以下のような「記憶障害」「理解力と判断力の低下」「作業能力の低下」を見て気づくことが多いようです。

認知症発見のきっかけになりやすい、代表的な初期症状

記憶障害
  • 同じ話を繰り返し話、以前にも話した事実をまったく覚えていない
  • ゴミの回収日や約束の日時を覚えられなくなり、すっぽかしてしまう
  • カギや財布を置いた場所がわからなくなり、頻繁に紛失するようになった
  • 必要のないもの、または同じものばかりを繰り返し買ってくる
  • いつも作っていた料理なのに、再現ができなくなったようで味付けがおかしい
理解力と判断力の低下
  • 周囲の会話を理解する速度が明らかに落ちていて、ついていけなくなる
  • 急に走ろうとするなど、身体的に不可能なことを思いついたまま実行しようとする
  • 計算をうまくできなくなり、支払いのときのお金の出し方が変わった
作業能力の低下
  • 手先を動かすことが好きだったのに、趣味の工作や手芸などをしなくなる
  • 料理を始めても、以前と同じような段取りや速度で進められなくなった
  • 読書が好きだったのに、読むのもストーリーを追うのも辛くなり辞めてしまった

また認知症の初期では、本人に「できないことが増えている」という自覚があり、精神的な落ち込み・混乱を抱えていることも多いです。

日常生活のなかで「なんだか以前と様子が違うな」と思うような言動や、本人が「できないことが増えた」と落ち込む様子が見られたら、認知症の初期段階かもしれません。

認知症かもと思ったらどうするのがベスト?

脳が委縮し発症する種類の認知症の場合は、根治治療することはできません。

しかし脳の疾患や外傷が原因で発症した認知症であれば、早期に発見・治療すれば、認知症の発症や進行を食い止められることがあります。

また脳疾患や外傷以外ではなく脳の萎縮が原因の認知症だとしても、発見が早ければ早いほど、治療で症状の進行を遅くできる可能性は高まります

認知症と思わしき初期症状・変化に気が付いたときは、まずは診療科目を問わずかかりつけの医師に相談してみましょう。

かかりつけ医が認知症の疑いがありと判断した場合は、脳神経外科や物忘れ外来のある、認知症の診断・治療に適した医療機関へ紹介してくれます。

かかりつけ医がいない場合は、最初から精神科・心療内科・脳神経外科のいずれかを受診するか、自治体にかかるべき医療機関を相談してみてもいいでしょう。

おわりに:日常生活の違和感は認知症のサインかも!初期症状を見逃さないで

認知症の症状には脳の機能低下による中核症状と、その人の環境やバックグラウンドによって起こる周辺症状があります。初期症状となりやすいのは脳機能低下による中核症状で、約束や段取りを忘れる、できないことが増えるなどの違和感として現れます。

認知症は、発見と治療開始が早いほど症状の進行を遅らせられる可能性が高くなる病気です。生活のなかの違和感から認知症の疑いを感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう。