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認知症のリハビリ「運動療法」の目的って?どんなメリットがあるの?

認知症

認知症は、脳の萎縮や機能低下のために記憶障害や認知障害、そして最後には身体障害も見られるようになる病気です。進行を防ぐには、どんな治療が有効なのでしょうか。
今回は認知症の予防・改善に効果的とされる運動療法について、その種類や目的、メリットなどをご紹介していきます。

認知症の運動療法にはどんな種類があるの?

運動療法とは、その人の状態や目的に合った負荷をかけ動かすことで、身体機能の改善や生活の質の向上をめざす治療方法です。
目的の具体例としては、認知症などの病気予防の他、いまある痛みの緩和や、関節・筋力の機能や動作・全身耐久性を高めることによる、転倒防止や身体の増強などがあります。

実際に行われる運動の内容は対象者によって異なりますが、基本的には以下7種類の運動のいくつかを選択し、組み合わせるのが一般的です。

運動療法の種類
  • 関節の硬化や萎縮を防ぎ、関節の動きを改善するための「関節可動域訓練」
  • 弱くなっている筋肉に適度な負荷を加えて、筋力の増強を図る「筋力増強訓練」
  • 短縮、委縮を起こしている筋肉に柔軟性を促すための「ストレッチ」
  • 長時間、体を動かし続けられるようにするための「持久性・耐久性を促す運動」
  • 全身が協調してスムーズに動くよう調整するための「協調性を促す運動」
  • 日常生活に必要な動作の練習を行う「基本動作練習」
  • 水泳、ラジオ体操、ウォーキングなどの「有酸素運動」

なお運動には、いずれの種類にも治療を受ける本人が自身で体を動かす自動的なものと、施術者が治療を受ける人の体を動かして行う他動的なものがあります。
自動的な運動と他動的な運動、どちらをメインとして運動療法を進めていくかについても、治療を受ける人の状態や医師の判断によって変わってきます。覚えておきましょう。

認知症の運動療法のメリットって何?

認知症の発症や進行予防対策として運動療法を取り入れるメリットとしては、以下が挙げられます。

認知症の予防・改善に、運動療法を取り入れるメリット
  • 体を動かすことで精神状態にも良い影響が及び、心身機能を一緒に高められる
  • 最小限のスペースと道具で始められるため、習慣として気軽に取り入れやすい
  • 体や習慣として覚えたことは忘れにくいため、認知症になっても続けやすい
  • 運動の種類によっては、認知症の人と介護者が一緒にできる楽しみとなり得る

また、運動療法には筋肉や関節の機能改善や身体動作の向上以外にも、脳や自律神経、全身状態に以下のような良い影響を及ぼすことも期待できます。

運動療法に期待できる、その他の治療効果
  • 体を的確に動かそうとすることの繰り返しにより、脳をフル活用して機能を活性化する
  • 運動が全身の血行を良くするため、脳にも多くの血液と栄養、酸素が行き渡る
  • 運動に夢中になることで、認知症状による苦しみや不安から一時的に解放される
  • できる運動が増えていく体験から、認知症の人が自信を取り戻すきっかけとなる
  • 生活にメリハリがつき、空腹も起こりやすくなるため生活習慣が整ってくる
  • 運動を通して自身の体の状態を知り、過去を回想することができる

運動療法は特別な器具や高額な費用と必要としない、効果的な治療方法です。
医師や理学療法士など専門家の管理下で行えばケガのリスクも少ないので、興味のある人は、かかりつけの医師に相談してみましょう。

おわりに:認知症の運動療法は体・脳・精神状態の改善に効果的

運動療法は関節や筋肉の機能を高め、体の動きをよりスムーズにし、生活の質を向上させる目的で行われる治療方法です。また身体機能だけでなく、全身の血流を促して脳を活性化したり、運動する本人以外の介護者の心身状態まで高めるメリットも期待できます。このため認知症の発症や進行予防効果も期待できるとして、認知症の疑いのある人にも積極的に実施されているのです。興味のある方は、主治医に相談してみてくださいね。

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