高齢者の認知機能・身体機能低下の予防や、社会参画に趣味は有効的とされます。
今回は、高齢者が趣味を持つことのメリットとおすすめの趣味の具体例の紹介を通して、高齢者が趣味を探すうえでのポイントを解説していきます。
高齢者が趣味を持つことのメリットとは?
高齢になると、人生の大半を捧げていた仕事から退き、社会と距離を置くことになります。
さらに聴力や視力の低下、体の動かしにくさなどから現在と将来の自分に絶望し、強い喪失感を持って物事への意欲をも失う高齢者も少なくありません。
そんな高齢者にとって、趣味は仕事や家族との時間にも次ぐ生きがいとなり得るのです。
趣味を持つことで高齢者が得られる具体的なメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。
外出する目的ができれば、社会との接点も生まれる
同じ趣向を持つ人たちと交流しながら、時間や空間を共有する。趣味の活動を通じて、他年代の地域の人たちとかかわる機会も生まれるかもしれません。
趣味を持つことで外出の目的や、社会との接点を作れるのは、大きなメリットでしょう。
1人で家にいるだけでは得られない、幸福感が得られる
人間は、他者と交流して幸福感を得られる生き物です。いくつになってもそれは変わりません。趣味を通した他者との交流は、高齢者に幸福感をもたらします。
また趣味の集団のなかで役割を得られれば、自己肯定感を高める効果も期待できます。
リハビリをしたり、日々の生活を送るうえでの目標ができる
高齢になると、身体機能の低下や脳疾患の後遺症などから、リハビリが必要になることも少なく在りません。
趣味は、そんなリハビリをするうえでの楽しみや目標になってくれます。
ただ漠然と行うのではなく、何か楽しいこと・趣味での目標がある方が、頑張れますよね。
「趣味でもっと楽しみたい」「もう一度趣味に戻りたい」と思う気持ちが、結果的にリハビリを促進し、身体機能と日々の生活の質を上げてくれると期待できます。
高齢者におすすめの趣味って?
以下に高齢者におすすめの趣味を「外出が難しくても室内でできるもの」「屋外で楽しめて外出のきっかけになるもの」のカテゴリに分けて、ご紹介します。
外出が難しくても室内でできる、高齢者におすすめの趣味
身体的な理由などで外出が難しいようなら、まずは指先と脳を使い、認知機能・身体機能を高めることのできる以下の趣味から始めましょう。
- DVDでの映画鑑賞や、テレビのスポーツ鑑賞
- 編み物や刺繍、小物づくりなどの手芸や日曜大工
- 囲碁、将棋、チェスなどのボードゲーム
- ピアノやギターなど、指先を動かす楽器の演奏
- 電子メール、ブログの閲覧や投稿
- 読書
- 歌謡鑑賞
- 料理
- 体操
屋外で楽しめて外出のきっかけになる、高齢者におすすめの趣味
外での活動は、脳のあらゆる分野に良い刺激を与えてくれます。まずは庭や近所に出ることから始めて、徐々に趣味での外出の範囲を広げていきましょう。
- ガーデニング
- 近所への散歩、ウォーキング
- 散歩ついでの写真撮影、SNS投稿
- カラオケ、コーラス、ダンス
- 英会話やPC講座などの学習教室
上記のうち自分にできそうなもの、楽しめそうなものから始めて脳と体に適度な刺激を与え、趣味や行動の幅を広げていきましょう。
おわりに:高齢者の趣味は脳と体への効果と、楽しめそうかで探してみて
年齢を重ねると、身体や脳の機能は徐々に衰えてきます。しかしその喪失感に絶望し、室内で何もせずじっとしていると、機能低下はどんどん進行してしまいます。高齢者こそ、仕事に変わる生きがいと楽しみを持ちながら脳・身体の機能を維持するために、趣味を持ちましょう。はじめは無理なく、室内でできるものからで構いません。手を出しやすいものから始めて、本人の好き嫌いに合わせてできること、行動の範囲を広げていきましょう。
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