増えていく認認介護、どう備えればいいの?

老後の不安・悩み

介護を必要とする認知症の高齢者を、同じく認知症の高齢者が介護するという状態を「認認介護」と呼びます。

今回は増えつつあるとされる認認介護が引き起こす問題と、認認介護による問題の当事者にならないための対処法を、一緒に理解していきましょう。

認認介護には、どんな問題があるの?

要介護認定を受けている認知症の高齢者を、同じく要介護認定を受けている認知症の高齢者が介護することを認認介護と言います。

このような「要介護者が要介護者を介護する」という異常事態は、以下のような日本の社会事情に起因して、起こっているとされます。

認認介護を引き起こす社会的背景
  • 少子高齢化により若年者の数が減り、高齢者の絶対数が増えてきている
  • 核家族化により若い世代と同居する高齢者が減り、単身・夫婦のみの高齢者世帯が増えた
  • 社会保障費の不足により、資金が十分でなく必要な介護サービスが受けられない

認認介護においては、比較的進行が遅く症状が軽度な方が介護者となり、高齢者夫婦で支え合って生活していくケースが多く見られます。

症状が重度と軽度な認知症患者を並べた場合、客観的に見ると軽度な方の高齢者には症状がないように見え、認知症だということがなかなか周囲に気づかれません。
しかし、認知症は進行性の病気です。互いの認知症が進行してくると、どちらも服薬や食事、生活の管理が徐々にできなくなり、やがては限界が訪れます。

互いが互いの存在や立場を認識できなくなり、介護が不可能になるばかりか、一方がもう一方を殺害するような悲しい事件に発展する可能性もはらんでいるのです。

認認介護への対処法はある?

認認介護に陥らないようにするには、何よりも早期に認知症の兆候に気が付き、対処することが重要です。

認知症のごくごく初期、軽度認知症(MCI)の状況で気が付くことができれば、認認介護を避けるためのあらゆる対策を講じることができます。

軽度認知症(MCI)とは
  • 「記憶」「理由付け」「実行」「決断」など基本的な認知機能のうち1つにおいて、日常生活に支障が出ないレベルで、問題が生じている状態
  • 1996年に提唱された、以下5つの定義に当てはまるものを言う
定義
  1. 記憶障害が出ているとの訴えが、本人あるいは家族から認められる
  2. 教育レベルや年齢の影響だけでは説明のつかない記憶障害がみられる
  3. 全般的に認知機能は正常である
  4. 日常生活動作は問題なく行える
  5. 認知症を発症していない

遠方に暮らしていて家族・両親の認知症の兆候に気が付けるか心配ならば、あらかじめ地域包括支援センター、または担当のケアマネージャーに相談しましょう。
利用できる介護サービスや、ボランティアやシルバー人材センターによる見守り・安否確認などの対策をアドバイスしてもらえます。

もし近所づきあいがあるようなら、近所の方に毎日声をかけてもらい、安否と認知症の兆候がないかの確認・連絡に協力してもらうのも有効的な対策です。
もうひとつできる対策としては、認認介護の前段階である老老介護に陥らないよう、早期に対策しておくことです。

老老介護とは、65歳以上の高齢者同士で介護をし、生活をしていくこと。
高齢者同士で寄り添い支え合って生活しているうちに、いつの間にか双方が認知症を発症し、認認介護になっていたというケースは少なくありません。

いずれにせよ、高齢者のみの世帯の様子をこまめに確認し、少しでも認知症の兆候を感じたら早め早めに対処するのが、認認介護への最大の対策と言えるでしょう。

おわりに:こまめな観察と状態の確認で、認認介護の発生に備えよう

認知症の高齢者が、認知症の高齢者を介護する。そんな異常ともいえる状態のことを、認認介護と呼びます。認認介護では、比較的症状が軽度が高齢者が介護者となり生活しますが、時間とともに進行し両者の認知機能をどんどん低下させていきます。その結果、悲しい事件が起こることも少なくありません。高齢者のみの世帯にはこまめに連絡・認知機能の確認をして、認認介護に陥らないよう早め早めに対策してあげてください。

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