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老老介護って、どんな介護問題のこと?

介護

高齢者数がどんどん増加し、社会保障費と介護人材が不足した結果、起こり得る大きな問題のひとつに「老老介護」があります。

今回は老老介護がどう問題なのか、増加の背景と、老老介護の負担を軽減するためにできる対策と一緒に紹介していきます。

老老介護はどんな危険をはらんでいるの?

介護を必要とする人を、65歳以上の高齢者が介護する上雷のことを老老介護と呼びます。
2017年に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査の結果によると、介護される側・する側の双方が65歳以上の世帯は、全体の約5割にものぼっています。

要介護度3以上ともなると、ほぼ終日の介護が必要になります。
起き上がるときや移動時に体を支えたり、食事や排泄の介助まで行わなければならず、体力的にも精神的にも介護する側の高齢者の負担は非常に大きくなるのです。

このため介護する側の高齢者が、介護疲れにからうつ状態や腰痛などの体調不良、病気を発症してしまうケースも少なくありません。

老老介護の当事者がさまざまな方面から追い詰められることは、以下のようなさらなる社会問題を引き起こす原因ともなります。

  • 介護する側、される側の双方が75歳以上の「超老老介護」
  • 介護する側、される側の双方が認知症にかかっている「認認介護」
  • 介護疲れによる自殺、または無理心中
  • 介護する側から、される側の高齢者への虐待

老老介護はどうして増加しているの?

老老介護は、主に以下3点の社会構造の変化により、起こっていると考えられます。

高齢者そのもの数が、どんどん増加しているから

2016年発表の総務省「人口推計」によると、日本の全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は27.3%でした。

高齢者の絶対数が増えているから、これまでより多くの介護人員が必要になる。しかし、介護職として働く人が足りていないこと、そして介護を受ける側に自宅に介護職員を招き入れることへの抵抗感があるなどの事情から、老老介護が増えているのです。

単身、または夫婦のみで暮らす高齢者世帯が増えているから

1980年代には、子どもと同居する高齢者世代は全体の7割、祖父母・両親・子の三世代で同居する高齢者世帯は半数にものぼっていました。

しかし2015年には子や孫と同居せず、単身、または夫婦のみで暮らす高齢者が全体の5割と、非常に多くなってきています。
家庭のなかに若い世代がおらず同世代の夫婦のみで暮らし、互いを介護する。この生活環境が当たり前になっているなら、老老介護が増えるのもうなずけます。

平均寿命が延びているのに、健康寿命が延びていないから

日本人の平均寿命はどんどん長くなり、2013年には男性で80.21歳、女性は86.61歳になっています。

これに対し、特に制限なく自立した生活を送れる期間とされる健康寿命は、男性で71.19歳、女性は74.21歳とされます。
つまり、平均的な日本人の死亡年齢である平均寿命と、元気に暮らすことのできる健康寿命の間には約10年の差があるということ。この10年は、何らかの介護が必要になります。

このような平均寿命と健康寿命の開きも、老老介護問題を生む一因と言えるでしょう。

まずは「恥ずかしい」などと思わず、外部の介護サービスを積極的に利用することが大切です。介護保険制度を利用すれば、安価で利用できる介護サービスもあります。
大切な家族だからと一生懸命に介護しているのに、それで心身の調子を崩し、虐待や無理心中に至ってしまうのはあまりに悲し過ぎます。

介護疲れや、自身の心身に不調を少しでも感じたら、早めに地域包括支援センターや医療機関に相談して下さい。なかなか外出できないようなら、電話相談でもOKです。

老老介護が発生する前にできる対策としては、生活習慣病や骨粗鬆症、認知症を意識的に予防して、要介護状態にならないよう気をつけることです。
具体的には栄養バランスの良い食事を3食しっかり摂って、仕事や運動を適度に行い、体と脳を活性化すると効果的です。

おわりに:高齢者が高齢者を介護する状況を、老老介護と呼ぶ

65歳以上の要介護者を、同じく65歳以上の高齢者が介護することを老老介護と呼びます。背景には高齢者そのものの絶対数が増加していること、平均寿命に対し健康寿命が短いこと、若い世代と同居する高齢者が減っているという社会情勢があります。身体的・精神的・経済的な方面から追い詰められることの多い老老介護の負担を軽減するには、外部に積極的に助けを求めることが大切です。本記事を参考に、相談を検討してくださいね。

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