一人暮らしの高齢者の食事、「宅配サービス」を利用するメリットと問題点は?

老後の不安・悩み

「買い出しに行くのが体力的に難しい」「毎日食事を作る気力が湧かない」といった悩みを抱える一人暮らしの高齢者向けに、今増えつつあるのが民間企業や自治体の「宅配サービス」です。この宅配サービスを利用するメリットや、利用前に考慮すべき点についてお伝えしていきます。

高齢者向けの「食事宅配(配食)サービス」。メリットは?

高齢化社会の日本では、高齢者向けに食事を届ける「配食サービス」を実施する自治体や民間企業、社会福祉法人が増えています。特に一人暮らしの高齢者は、日々の「孤食」で食欲や料理をする意欲が低下しやすく、買い出しにも困難を抱えるケースが多いので、サービス利用者は年々増加傾向にあります。

この配食サービスの主なメリットは、以下の通りです。

高齢者向けに調理が工夫されている

加齢による口腔機能の低下で、「固いものが食べられない」「食事がうまく飲み込めない」高齢者や、高血圧で医師から「減塩食を指導されている」等の問題を抱える高齢者は多いです。

そういった高齢者向けに特別に調理した食事(ソフト食やミキサー食、きざみ食、ゼリー食、ムース食、とろみ食など)や、減塩食等を用意した配食サービスも多く、たくさんの業者の中からニーズに合ったものを選びやすくなっています。

高齢者の咀嚼能力や嚥下能力に合った食事を自力で作ったり、家族などの介護者が用意したりするのは非常に手間がかかります。配食サービスによってこの手間を軽減できるのは、本人にとっても介護者にとっても大きなメリットといえるでしょう。

見守りサービスを兼ねている

食事を届ける際、オプションで高齢者の安否確認を行ってくれる業者も増えつつあります。一人暮らしの高齢者は突然倒れたり、孤独死を迎えたりする恐れもあるので、宅配時に異常があった場合、家族に連絡が届くサービスは、高齢の親を持つ子供世代からの需要が高いです。

食事の種類や宅配頻度が選べる

配食サービスには、主に下記のような種類があります。

毎日配達されるお弁当タイプ
数日分まとめて配送される冷凍食品タイプ
簡単に調理できるレトルトタイプ

お弁当タイプは宅配後すぐに食べられるのが魅力ですが、指定時間に受け取れない、即日食べられるかが定かではない高齢者にはあまり向いていません。そういった人は、まとめて受け取りが可能な冷凍食品かレトルトタイプを選ぶのが良いでしょう。
このように高齢者自身の都合に合わせて食事の種類が選べ、また「毎日」「週3回」「夕食だけ」など配達頻度が調整可能な点も魅力の1つです。

低栄養の予防

業者によって異なりますが、大手民間企業の配食サービスでは、管理栄養士の監修のもと作られた食事が届けられることが多いです。

一人暮らしの高齢者は「食事を作るのが面倒」「買い出しに行くのが大変」「食欲がない」等の理由で食事が偏り、低栄養になるケースが少なくないので、乱れがちな栄養バランスを整える意味でも、配食が役立つ可能性があります。

高齢者向けの「食事宅配サービス」の費用は?

高齢者向けの配食サービスの費用は業者や宅配頻度等によって異なりますが、1食あたりの価格は約400〜700円が相場です。業者によっては、別途送料がかかることがあります。

費用面を抑えたい人には安い業者が第一候補になりそうですが、一定金額以上の注文や定期購入だと割安になる業者もあり、また宅配エリアや時間指定の可否、食事内容のサービスにもバラつきがあるので、費用だけで選ばず、慎重に検討することをお勧めします。

自治体の補助で費用を安く抑えられるケースも

民間企業の配食サービスを定期的に頼むと、どうしても費用負担は大きくなります。しかし、自治体によっては、一定の条件(要介護認定等)を満たせば介護保険の一環で配食サービスを受けられたり、配食サービスへの補助金が出たりすることがあります。この場合、かなり安く費用を抑えることが可能です(数十円〜200円程度)。

詳しい条件や費用は自治体によって異なるので、お住まいの「地域包括支援センター」や市役所にお尋ねください。

高齢者向けの「食事宅配サービス」の問題点は?

高齢者向けの配食サービスには、以下のような問題が伴うことがあります。

味が好みに合わない

特に減塩食を注文した高齢者が感じやすいストレスが、「あんまり味がしなくて美味しくない」という問題点です。いきなり定期注文してしまうと、日々の食事でかえってストレスを抱えてしまう可能性もあるので、まずは「お試し注文」をすることをお勧めします(多くの業者は初回送料無料でお試し注文に対応しています)。

一人暮らしの高齢者は誰かと食事を共有することが基本的になく、食の楽しみを感じにくい境遇ではあるので、本人が楽しんで食べ続けられる配食サービスを選ぶことが大切です。

食べにくい

噛む力が弱っている高齢者は、普通食(おかずもごはんも普通の固さの食事)が食べにくい可能性があります。噛む力が低下している場合は、普通食を舌で潰せる程度に柔らかく加工したソフト食や、ほとんど噛む必要のないミキサー食、きざみ食などを選ぶのが良いかと思われます。

また、飲み込む力が弱い高齢者は、ソフト食やとろみ食、ムース食、ペースト食、ゼリー食などが一般的には勧められます(きざみ食やミキサー食は誤嚥を引き起こす可能性があるので、控えた方が良いです)。

おわりに:高齢者の健康状態や好みに合った「食事」を届けてもらおう

一人暮らしの高齢者にとって、配食サービスは非常に便利なものです。しかし、高齢者の咀嚼・嚥下能力や味の好み、時間の都合等に沿ったサービスを選ぶことが重要になっていきます。民間業者だけでなく、社会福祉法人や自治体でも幅広く普及されつつあるサービスなので、費用面や健康面なども考慮の上、高齢者本人に合ったものを見つけていきましょう。

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