認知症は遊びやレクリエーションで予防・改善できる?

認知症

多くの介護施設では入所・通所する認知症の高齢者に対し、さまざまな遊びや、レクリエーションの時間を設けています。

遊びやレクリエーションは、認知症の高齢者にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
今回は、遊びやレクリエーションが認知症の高齢者にどう良いのか、参加するうえでの注意点とあわせて解説していきます。

遊びやレクリエーションの目的って?

高齢者向けの遊び・レクリエーションは、高齢者の心身に以下のような良い刺激を与え、生活全体の質を向上させる目的で実施されています。

他者との交流機会の提供

年齢を重ねるとどうしても外出がおっくうになり、新しい人と知り合ったり、他者と約束して会う機会がどんどん減っていきます。

そんななかで遊び・レクリエーションは高齢者にとって外出の目的となる他、一緒に時間を過ごす仲間と知り合ったり、他者と交流する機会の創出にも役立ちます。

身体機能の向上・維持

年齢とともに全身の筋力や体力が衰え、身体機能が徐々に低下していくのは当然です。

しかし定期的に遊び・レクリエーションを行えば、楽しみながら身体機能を向上でき、健康状態を維持・増進すること効果もできます。

脳の働きの活性化

脳は、普段とは違う外部刺激を受けることで活性化すると言われています。

遊びやレクリエーションを通し、普段の生活とは異なるかたちで手先や全身を動かし、発語すれば、脳の活性化につながり認知症の発症・悪化を遅らせる効果も期待できるのです。

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遊びやレクリエーションは認知症にも良いの?

認知症の初期段階では、本人が認知症の発症や症状の進行を自覚し、将来への不安から自尊心を失ったり、絶望することも多いとされます。

介護施設などでの遊びやレクリエーションの時間は、このような初期の認知症患者にとって「いまできること」を自覚させ、自尊心を取り戻させるきっかけになり得ます。

また、これまでには感じていなかった新しい楽しみをみつけたり、認知症になると失われがちな周囲との人間関係を、自然につなぐこともできるでしょう。

このように一般的な高齢者だけでなく、認知症の高齢者に対しても、遊びやレクリエーションの時間は良い影響を与える可能性が高いのです。

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レクリエーションを楽しむときの注意点は?

認知症の高齢者に遊びやレクリエーションをしてもらうときは、本人の自尊心を傷つけたり、必要以上に疲れさせないように、以下のような配慮をすべきです。

時間設定を厳しくせず、本人の興味に合った内容にする

興味のないことをやるよう強いられること、また集中しているときに作業を中断させられるのは、誰にとっても辛いことですよね。

特に周囲からの刺激が敏感になり、脳が疲れやすくなっている認知症の人にとっては、集中する作業内容や時間を縛られるのは、苦痛になると考えられています。

認知症の高齢者に遊びやレクリエーションをしてもらうときは、本人が興味を持てて、かつ、時間に縛られず取り組める内容を設定しましょう。

自尊心の保持に役立つ、適当な内容と難易度にする

本人にとって難しい動きや思考を伴うものは、認知症の人の自尊心を傷つけてしまいます。
かと言って内容を簡単にし過ぎても、「子ども扱いされている」と、本人を落ち込ませてしまうかもしれません。

認知症の高齢者にしてもらう遊びやレクリエーションには、本人の症状や過去の生活、経験に合わせた、ちょうど良い難易度であることが求められます。

本人の状態を観察したり、家族に本人の得意なこと、過去の仕事や生活で習得した技術などを聞き取り、内容を考えると良いでしょう。

過ごした時間が、かたちとしてのこる内容にする

認知症になると、記憶障害によって経験したことを少しずつ忘れていきます。

本人が経験したこと、感じたことを可視化し、思い出すきっかけとなるように、遊びやレクリエーションは作品というかたちで結果がのこる内容にするのがおすすめです。

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おわりに:遊びやレクリエーションは、認知症の高齢者にも良い影響を与える

高齢者への遊びやレクリエーションの提供は、脳や身体機能の活性化、周囲との交流機会の提供を通して、生活全体の質を挙げる目的で行われています。認知症の高齢者にも良い影響を及ぼすと考えられていて、特に認知症の初期段階で、自信や周囲との人間関係を喪失し始めている高齢者に効果的です。ただし、認知症の高齢者に遊びやレクリエーションをしてもらうときには、遊びの内容や時間制限に注意が必要です。覚えておいてくださいね。

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