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認知症の物盗られ妄想の原因と対処法は?

認知症

認知症の影響から、実際には起こっていない窃盗被害を主張したり、周囲の人に泥棒の疑いをかけたりする症状のことを「物盗られ妄想」と言います。

今回は認知症の物盗られ妄想について、その特徴や、認知症の人に物盗られ妄想が現れたときの適切な対処法などを、まとめてご紹介します。

物盗られ妄想ってどんな症状?

認知症の影響から、本人にとって大切なものを「盗まれた」と思い込んでしまう被害妄想の症状を「物盗られ妄想」と言います。

これは比較的体力のある認知症の初期に、高い頻度で現れる被害妄想の一種です。

特に現金や財布、預金通帳、貴金属など財産に関連するものに対して発生しやすく、家に頻繁に出入りして介護をしてくれる女性の家族や、介護職員が泥棒の疑いをかけられます。

しかし本人が「盗まれた」と主張する品物の多くは、実際には自分でしまった場所を覚えていなかったり、どこかに置き忘れてきているだけです。

記憶障害により、品物の置き場所やどこかに忘れてきた事実そのものを忘れているため、「大切なものがない=誰かに盗まれたに違いない」と思い込んでしまうのです。

物盗られ妄想にはどうやって対処すればいいの?

認知症による物盗られ妄想は、脳の機能が低下したことによる記憶障害や思考力の低下、また本人の持つ性格や社会的背景から起こると考えられています。

失われた記憶と、身近な人や少しずつ財産が減っていくことへの喪失感との帳尻を合わせるために、大切なものが「誰かのせいでなくなった」と妄想してしまうのでしょう。

上記の原因を踏まえ、物盗られ妄想への適切な対処法を考えると以下のようになります。

否定も肯定もせず、失くしたものを一緒に探してあげる

「あなたが盗んだんでしょう」「泥棒」と疑いをかけられるのは不快でしょうが、言い返すのではなく、まずは一度「大変ですね」と主張を受け入れてあげてください。

そのうえで「一緒に探してみましょう」と声をかけて食事やテレビなど、本人が興味を持ちそうな話題を投げかけながら周辺を探し、妄想から意識を反らすと良いでしょう。

物盗られ妄想が出ているときは、本人が興奮している場合が多いです。
興奮している相手に対し、泥棒と疑われたことへの不快感をぶつけると関係が著しく悪化しますので、互いに落ち着けるよう意識して接してくださいね。

不安感を減らせるよう、話す機会を増やす努力をする

物盗られ妄想の背景には、子世帯の家族との同居や介護サービスの利用など、生活環境の変化によるストレスが潜んでいることもあります。

日ごろから本人と話す機会を増やし、忙しいときにも「あとで聞くからね」などとフォローするようにして、本人のストレスや不安・疎外感を減らしてあげてください。

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介護する側に心理的負担が大きい場合は、介護サービスを利用する

泥棒の疑いをかけられること、また本人へのフォローのために介護する側が心身ともに疲れてきたら、不満が爆発する前にプロの力を借りてください。

介護する側の心身に余裕が生まれることで、本人への接し方にも変化が生まれます。
無理をせずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、積極的にデイケアや訪問介護などのサービスを受けるようにしましょう。

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おわりに:認知症の物盗られ妄想は、記憶障害とストレスなどから起こる症状

記憶障害と性格、そして本人の抱く喪失感や不安、ストレスなどの社会的背景から、大切なものを盗まれたと思い込んでしまう症状を「物盗られ妄想」と言います。認知症の初期に現れることの多い被害妄想で、身近で介護してくれている女性の家族・親族や、家に頻繁に出入りする介護職などに対し、泥棒の疑いをかけるのが特徴です。疑われる周囲にとっては不快な物盗られ妄想ですが、介護サービスなどの力も借りながら落ち着いて対処しましょう。

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