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正常圧水頭症が原因の認知症の特徴とは?!治る可能性があるって本当?

認知症

認知症は脳に異常なタンパク質が蓄積したり、脳梗塞や脳出血で一時的に血流が阻害されること以外に、正常圧水頭症が原因で発症することもあるとされます。
今回は正常圧水頭症という病気とその症状を、代表的な認知症であるアルツハイマー型認知症の症状との違いとあわせて、ご説明していきます。

正常圧水頭症ってどんな病気?

正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)は、頭蓋骨内に満ちて脳を保護している脳脊髄液(のうせきずいえき)が、過剰に溜まることで発症する病気です。
通常、脳脊髄液は脳の中央に位置する脳室で毎日一定数作られ、循環し、やがて静脈などから吸収されて体内で循環しています。

この脳脊髄液の循環サイクルが、何らかの理由で乱れたときに起こるのが正常圧水頭症で、原因によって以下3つの種類に分けられています。

特発性正常圧水頭症

原因不明で、次第に症状が現れるようになるものです。
高齢者に多いのはこのタイプで、特に70~80代での発症が多いとされます。

二次性特発性正常圧水頭症

くも膜下出血や髄膜炎など、何らかの脳疾患を発症したことが原因となり、その数か月後に二次的な疾患として正常圧水頭症を発症するものです。
3つのなかでも非常に稀なケースであり、脳の定期的な診察により早期発見できます。

家族性正常圧水頭症

家族や親類のなかに正常圧水頭症患者がいて、遺伝的な要因から発症するものです。
二次性正常圧水頭症と同じく、このタイプでの発症は極めて稀といわれています。

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正常圧水頭症の認知症状とアルツハイマー型認知症の症状の違いとは?

正常圧水頭症の患者には、全体のおよそ90%の人に歩行障害が、80%の人に認知障害が、70%以上の人に排尿障害が現れるとされます。

正常圧水頭症による歩行障害・認知障害・排尿障害の特徴は、それぞれ以下の通りです。

正常圧水頭症による歩行障害の特徴
両足の間隔が大きい姿勢のまま、小刻みにしか歩けなくなる、特徴的な歩行障害が現れます
正常圧水頭症による認知障害の特徴
情報処理能力の低下から来る特徴的な受け答えや反応の遅れ、物忘れ、意欲の低下の順で、認知障害が現れることがあります
正常圧水頭症による排尿障害の特徴
頻尿に始まり、尿意を感じてから尿が出るまでの時間が短くなり、失禁しやすくなる排尿障害も正常圧水頭症による症状のひとつです

これらの歩行障害・認知障害・排尿障害のいずれも、アルツハイマー型認知症の症状としても見られるものですが、症状が現れるタイミングには大きな違いがあります。
通常、アルツハイマー型認知症では物忘れから症状が始まり、その後徐々に判断力の低下や運動障害にまで進行して、生活や排尿困難に至るのが一般的です。

しかし正常圧水頭症の場合は、歩行障害から症状が始まり、その後受け答えの遅れや物忘れが出るようになり、排尿障害に至るケースがほとんどです。歩行障害と認知障害を併発していて、排尿障害も起こしているようなら、アルツハイマー型認知症ではなく正常圧水頭症の可能性があります。

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特発性正常圧水頭症の症状は治る可能性がある?

正常圧水頭症は、適切なタイミングで脳脊髄液を体内に循環させる器具を設置する外科手術を受ければ、改善するケースがあります。3タイプのなかでも特発性正常圧水頭症への治療効果は高いとされ、早期に治療できれば歩行障害は9割、認知障害や排尿障害は5~6割程度改善されるといわれています。

なお、手術による治療効果には個人差もあるため、術後すぐ症状の改善が見られなくても、時間をかけて徐々に治療効果を感じられるようになることも多いです。早期に適切なタイミングで治療を受け、症状を改善させるためにも、症状から正常圧水頭症の可能性を感じたら、できるだけ早く脳神経外科を受診してください。

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おわりに:運動障害と認知障害が併発するのが、性常圧水頭症が原因の認知症の特徴

正常圧水頭症は、頭蓋骨に満ち脳を守る脳脊髄液が過剰に溜まってしまい、認知症のような症状が出るようになる病気です。具体的には特徴的な歩行障害や受け答えの遅れ、物忘れなどの認知障害、排尿障害などが現れます。

また、アルツハイマー型認知症などと異なり、症状が歩行障害から現れ、認知障害を併発するようになるケースが多いのが特徴です。正常圧水頭症は早期治療で症状が改善する可能性もあるので、まずは脳神経内科を受診しましょう。

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