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慢性硬膜下血腫が原因で認知症になる?

認知症

認知症のなかには、加齢が原因の脳の破損・委縮以外にも、病気をきっかけとして発症するものがあります。
そのなかの1つが「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)」が原因の認知症です。
今回は慢性硬膜下血腫が原因で起こる認知症の症状や治療法について、ご紹介します。

慢性硬膜下血腫の認知症状は治る?

慢性硬膜下血腫は、転倒や事故などで頭部に外傷を受けたことが原因で、頭蓋骨の中で脳を保護しているくも膜・硬膜の間に血の塊ができ、脳を圧迫してしまう病気です。

くも膜と硬膜の間の血の塊・血腫は、小さいものであれば自然に治癒して元に戻りますが、大きいものは解消されず、頭部外傷から数週間後を目安に以下の症状を引き起こします。

慢性鼓膜化血腫による代表的な症状
頭痛、嘔吐、半身麻痺、意欲の低下、時間や場所などを正しく認識できなくなる見当識障害

上記のうち「意欲の低下」と「見当識障害」は、アルツハイマー型に代表される脳の破損・委縮が原因の他の認知症状とも共通する症状です。ただし、脳に強い圧がかかり重大なダメージを受ける前に血腫を取り除くことができれば、慢性硬膜下血腫による認知症状の発症・悪化を防ぐことができます。

早期に適切に治療できれば、一度発症した認知症状を回復させることもできるでしょう。

慢性硬膜下血腫はどうやって治療するの?

慢性硬膜下血腫の治療は、「穿頭(せんとう)」ドレナージ術と呼ばれる外科手術で、血腫を除去する方法で行うのが一般的です。

穿頭ドレナージ術は比較的短時間で終了できる手術方法で、局所麻酔を用いて頭部に小さな穴を開け、そこから細い管を入れて頭蓋内の血腫を洗い流します。入院してから穿頭ドレナージ手術を受け、退院までにかかる期間は平均で約1週間。
かかる時間や程度には個人差もありますが、術後は徐々に頭痛や認知症状、半身麻痺など慢性硬膜下血腫による症状が改善し、体調が良くなっていくでしょう。

ただし手術治療を受けた人のうち10%、特にもともと認知症を発症していて脳の萎縮があった高齢者などには、再発するケースもたびたび見られます。
術後の状態や症状の回復度合いを見ながら経過を観察し、再発やその兆候が見られるようであれば、再手術を含めた早期の治療開始を検討してください。

おわりに:慢性硬膜下血腫が原因で、認知症のような症状が現れることがある

外傷により、脳を守っているくも膜・硬膜の間に血腫ができる慢性硬膜下血腫になると、血腫の脳圧迫により認知症のような症状が現れることがあります。慢性硬膜下血腫による認知症状は、他の認知症に比べ発症原因がはっきりしている点が大きな特徴です。このため、早期に適切な手術で血腫を除去できれば、認知症状を治療・改善できる可能性もあります。慢性硬膜下血腫の疑いを感じたら、できるだけ早く脳神経外科を受診しましょう。

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