認知症の人が誤嚥性肺炎になりやすいのはなぜ?

認知症

脳細胞の損傷と委縮に伴い、認知と身体機能が徐々に低下していく認知症の人は、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こしやすいといわれています。

今回は誤嚥性肺炎がどのような疾患なのか、認知症の人が発症しやすいとされる理由や、有効な予防法とあわせて解説していきます。

認知症の人に起こりやすい誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液が誤って食道ではなく気道へ入ることが原因で、細菌やウイルスが繁殖し肺炎を起こしてしまう疾患です。
ものを飲み込む機能である嚥下(えんげ)能力の低下で発症するため、進行とともに身体能力も徐々に衰えていく認知症患者が、かかりやすい疾患とされています。

また誤嚥性肺炎は、他の肺炎に比べて重症化と再発を繰り返しやすいとも言われています。誤嚥を繰り返しやすく、体力も落ちている認知症患者にとっては、誤嚥性肺炎は命にもかかわる恐ろしい病気なのです。

誤嚥性肺炎を予防するにはどうすればいい?

認知症患者の誤嚥性肺炎を予防するには、嚥下障害の予防と口の中の衛生管理を、一緒に行うのが効果的です。

以下に、誤嚥性肺炎の予防に効果的な嚥下障害の予防と口内の衛生管理のポイントをまとめてご紹介します。できるところから実践して、誤嚥性肺炎の予防に努めましょう。

誤嚥性肺炎予防に有効的な、嚥下障害への対策

本人の状態に合わせ、噛みやすく飲み込みやすい食事を用意する

飲み込みやすいよう、かたちや状態を工夫した「嚥下食」を食べさせてください。本人の咀嚼や嚥下の能力に合わせ、具材を小さく切る、柔らかく煮る、ペーストやゼリー状にするなど対策すれば、誤嚥をある程度防げるようになります。

誤嚥を起こしにくいよう、食べ方に気をつける

無理なく飲み込めるくらいの量を1口とし、ゆっくり噛んで飲み込みます。水分も含め、先に口に入れたものをすべてゆっくり飲みこんでから、次の食事を口に入れましょう。
このように、食事の仕方をゆっくりしたペースに変えるだけでも、食事中に誤嚥でむせるのを防ぐことができます。

正しい姿勢を保って食事をする

猫背になると誤嚥が起こりやすくなるとされるため、できるだけ垂直に座って首を前方に向け、飲み込むときはあごを引く正しい姿勢で食事をしてください。
また、食後に胃の内容物が逆流することでの誤嚥防止のため、食後しばらくは横にならず、座っているよう習慣づけると良いですよ。

しっかり食事に集中し、味わえる環境を作る

他に興味を奪われながらの食事は、噛む・飲み込むことへの集中度を下げてしまうため、誤嚥のリスクを高めてしまいます。
テレビを消す、食事専用の部屋に移動するなどの対策をとって、しっかり食事を噛む・味わう・飲み込むことに集中できる環境を作ってあげましょう。

誤嚥性肺炎予防に有効的な、口内の衛生管理の方法

口の中が不衛生な状態だと、誤嚥が起きたときに気道に細菌やウイルスが入りやすく、より誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。食後はきちんと歯磨きをし、入れ歯は外して洗浄して口内を清潔に保ちましょう。

また歯のお手入れと合わせ、舌や頬の粘膜の汚れも柔らかい歯ブラシでやさしくマッサージするようにして取り除くと、より効果的です。

おわりに:認知症は嚥下機能も低下させるため、誤嚥性肺炎になりやすい

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物が誤って気道に入ることでウイルスや細菌が繁殖し、発症する肺炎のことです。通常の肺炎とは異なり、飲み込む機能である嚥下能力が衰えることが原因で発症し、重症化しやすいとされます。このため、認知機能とともに嚥下能力も衰えていく認知症の人は、特に誤嚥性肺炎を再発・重症化しやすいのです。日頃から食事の内容と方法を工夫し、口内を清潔に保って、誤嚥性肺炎の予防に努めてくださいね。

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