高齢者が住処を確保するのを助けるための制度の1つに、高齢者家賃債務保証制度があります。
今回は高齢者家賃債務保証制度とは何か、対象となる人の条件や老人ホームの費用として使えるケースとあわせて、解説していきます。
高齢者が使える家賃債務保証制度があるって本当?
高齢者が賃貸住宅等に入居しようとする場合、収入不足による家賃の滞納や保証人の不在、万一の際の資産価値低下への懸念から、家主に入居を断られるケースがあります。
このような入居拒否を防ぎ、高齢者でも賃貸住宅に入居しやすくするための制度として、家賃債務保証制度が存在しています。
家賃債務保証制度とは、あらかじめ家主が一般社団法人 高齢者住宅財団と契約しておくことで、財団が入居者の連帯保証人の役割を果たしてくれるようになる制度です。
例えば2年契約の場合、入居者が月額家賃の35%を負担することで、以下のような保証を受けられるようになります。
- 家賃債務保証制度による、具体的な保証内容の例
- 共益費や管理費を含む滞納家賃を、最大で12か月分まで財団が立て替え
- 現状復帰費用、および訴訟費用を最大9か月分まで支払い
今後の収入獲得に不安があり、賃貸住宅の入居拒否にあいやすい高齢者にやさしい制度ですが、利用するには入居する物件の家主と財団が契約している必要があります。
家主が財団と契約していない、契約する意思がない場合は、制度の利用ができません。
また、財団に家賃を保証してもらえると言ってもあくまで立て替えであるため、利用にあたっては借主から財団に対し債務を返済する義務が生じます。
どんな人が対象なの?
家賃債務保証制度を利用できるのは、以下いずれかの条件を満たす対象者のみです。
- 60歳以上の高齢者世帯である
- 障がい者世帯である
- 外国人世帯である
- 18歳以下の扶養義務のある子が堂宇去する子育て世帯である
- 解雇などによる住居退去世帯である
ただし、制度を利用できる対象者の条件には細かい規定がありますので、詳しくは一般社団法人 高齢者住宅財団に確認しましょう。
老人ホームでも保証制度は使えるの?
一般的な賃貸住宅以外に老人ホームでも、施設によっては身元引受人や保証人の代わりとして、高齢者家賃債務保証制度を利用できる場合があります。
ただし、入居の契約形態が賃貸借契約の場合のみ、利用可能であるケースが多いです。
利用権方式である場合は、制度を利用できない可能性の方が高いでしょう。
老人ホーム等への入居に際し、身元引受人・保証人を用意できないときは、家賃債務保証制度が使える施設がないか探してみてくださいね。
おわりに:「高齢者家賃債務保証制度」は、収入に不安のある高齢者にやさしい制度
家賃滞納や資産価値低下への懸念から、高齢者が家主から入居拒否されるケースは少なくありません。そんな高齢者の保証人の役割を果たし、入居を助けてくれるのが高齢者家賃債務保証制度です。この制度は、家主が一般社団法人 高齢者住宅財団と契約している物件へ入居することで、利用できるようになります。一部の老人ホームへの入居契約にも使える可能性があるので、保証人を立てるのが難しい人は詳しく調べてみてくださいね。
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