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高齢者の睡眠の特徴は? 早起きすぎる人は「朝の運動」に要注意!?

老後の不安・悩み

「年を取ると眠りが浅くなる」「途中で目覚めてトイレに行く回数が増える」とよく耳にしますが、実際に高齢者は睡眠トラブルに悩まされていることが多いです。今回はそんな高齢者の睡眠の特徴や、睡眠トラブルを招く意外な原因についてお伝えしていきます。

高齢者の睡眠の特徴は?

高齢者に多い睡眠トラブルの特徴は、主に以下の通りです。

就寝と起床時間が早い
眠りが浅く、熟眠感が少ない
トイレなどのために途中で起きることが多い(中途覚醒)
朝の目覚めが早い(早朝覚醒)
布団に入ってもなかなか寝つけない(入眠障害)

若い人の場合は、就寝から3時間ほどで深い睡眠(ノンレム睡眠)が何度も訪れ、後半になると浅い睡眠(レム睡眠)が中心になります。しかし高齢者になるとノンレム睡眠が減ることで、中途覚醒の頻度や早朝覚醒の頻度は増える傾向にあります(厚生労働省 e-ヘルスネット「高齢者の睡眠」)。

高齢者の睡眠トラブルの原因は?

高齢者によくある「朝早く目覚めてしまう」「就寝中トイレのために起きてしまう」といった睡眠トラブルの多くは、自然の加齢変化が原因です。

年を取ると、「体内時計」も加齢変化をします。
体内時計とは、「サーカディアンリズム(概日リズム:一日のおおよそのリズム)」を作る、脳の視交叉上核にある時計機構です。血圧や体温調整、ホルモン分泌など多くの生体機能リズムを司るもので、この機能によって昼は自然と心身が活動状態になり、夜は休息モードに切り替わります。

しかし高齢者になると、脳の松果体(しょうかたい)から分泌される「メラトニン」(自然な眠りを誘うホルモン)の分泌量が減ることがわかっています。若いうちはメラトニンの分泌が活発なおかげで夜に眠気がやってきますが、高齢になるとメラトニンの分泌量が減少し、体内時計の睡眠や覚醒のリズムを乱した結果、「眠りが浅い」「早朝覚醒」等の睡眠トラブルをきたすようになるのです。

「朝の運動習慣」が、高齢者の睡眠トラブルを助長する!?

健康な高齢者であっても、加齢に伴う体内時計のズレで眠りが浅くなったり、朝早く目覚めやすくなったりします。しかしそのために、「朝早くからたくさん散歩をする」という人は、その運動習慣が睡眠トラブルの一因になっている可能性があります。

朝の強い光を浴びると、体内時計は早まる性質にあります(厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」)。つまり朝早くから光を大量に浴びる生活が習慣化していると、体内時計はさらに前倒しになり、ますます夜早くから眠くなり、朝早く目覚めやすくなるという悪循環に陥る可能性があるのです。

睡眠の質を高めるには、運動習慣をつけることが確かに大事ですが、過度な早朝覚醒でお悩みの高齢者は、極端な早朝の活動を控えることも重要です。夕方以降の光は体内時計を夜型に調整する作用があるので、朝の散歩を夕方以降に変えてみると良いでしょう。

「寝床にいすぎる」習慣も控えよう

早寝早起きは基本的に良いことですが、「やることがないから早めに寝床に入る」習慣は控えるのが懸命です。統計によって、高齢者になればなるほど、睡眠時間は短いのに寝床にいる時間が長い傾向にあることがわかっています。あまり眠くないのに寝床でうとうとしている時間が増えると、夜間の睡眠の満足度が低下しやすくなります

高齢者は健康であっても体内時計が前倒しになるので、若い頃よりは1時間ほど早く眠気が訪れる傾向にありますが、質の良い睡眠をとるための体のコンディションが整うのは、平均22時30分以降といわれています。

眠くないのに無理に寝ようとすると、かえって「布団に入ってもなかなか寝つけない」とストレスが溜まり、目が冴えてさらに眠れなくなるケースも多いです。本当に眠くなったら寝床に入るという習慣をつけましょう。

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おわりに:「年のせい」と片付ける前に、生活習慣の見直しを

「早く起きるようになってしまう」「就寝中に尿意を感じて、トイレに行くことが多い」といった睡眠トラブルは、基本的には加齢に伴う体内時計のズレが原因なので、過剰に気にする必要はありません。高齢者になると、若い頃よりは睡眠時間が短く、睡眠も浅くなります。
ただ、過度に朝活をしていたり、寝床にいすぎたり等の習慣がある人は、それが原因で睡眠トラブルが助長されている可能性もあります。これらの悩みが該当する人は、まず自身の生活習慣を変えるところから始めてみましょう(ただし、睡眠トラブルによる体調不良が長期間続く場合は、睡眠障害の専門外来を受診してください)。

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