自宅介護をするうえで、家族が特に対応に悩むのが排泄介助、介護おむつの交換ではないでしょうか。
今回は介護おむつを手早く、かつ安全に交換するためのコツを、準備物・手順・漏れやかぶれを防ぐ方法の3つの分野に分けて紹介していきます。
介護おむつの交換で準備するものは?
介護おむつ交換のための準備は、実際の交換手順と、介護される側の心情に配慮して行う必要があります。
まずは以下を参考に、あなたが介護おむつを交換する際に必要なものを用意し、手に取りやすい位置に配置しましょう。
- 介護おむつ交換のときに、必要な物の例
- 使い捨ての作業用手袋
- 替えのきれいなおむつ
- 体をきれいにするためのシャワーボトル入りの温水、おしりふき、布や紙
- 汚れたおむつを捨てるための容器
- その他、あなたにとっておむつ替えのときに必要な物
おむつを交換する側である介護者の準備が整ったら、次は、おむつ交換をされる被介護者に心の準備をしてもらいます。
本来、排泄は非常にプライベートな行為であり、他者の手を借りるものではありません。
このためおむつ替えに際しても、陰部や排泄物を見られることに、強い心理的抵抗感を持つ人が多いのです。
介護おむつを変えるときには必ず被介護者の心情に配慮し、心の準備をしてもらえるよう、以下のポイントに沿って声掛けしましょう。
- 被介護者に、おむつ替えの準備をしてもらうために
- 事前に何をするのか伝え、必ず本人の承認を得る
- 体の向きや体勢を変えるとき、可能な範囲で自力でやってもらう
- カーテンやドアを閉め、おむつ替えの様子が他者に見られないようにする
- 汚れたおむつはすぐに始末し、被介護者の目に触れないよう配慮する
介護おむつの交換の手順
介護おむつ交換の基本的な手順は、以下の通りです。
パンツタイプの場合
立った状態で替えるとき
- トイレの介助バーを使い、つかまり立ちの姿勢を取ってもらう
- おむつを降ろし、補助をしながら一緒に移動し便座に座ってもらう
- 汚れたおむつを足から抜き、新しいおむつを足に通す
- 介助バー、または自分につかまって立ってもらい、おしりと陰部をきれいに拭く
- きれいなおむつを腰まで上げる
座った状態で替えるとき
- 2人で向かい合い、こちらに抱き着いて体重をかけた前傾姿勢を取ってもらう
- お尻が浮いた状態にし、被介護者の体を左右に傾けながら少しずつおむつを下げる
- 汚れたおむつを足から引き抜き、用意しておいた新しいおむつを通す
- 足を低い台などに乗せてお尻を浮かし、陰部をきれいに拭いてからおむつを上げる
テープタイプの場合
寝たきり状態で替えるとき
- こちらに被介護者の背中が向いた状態で、横向きに寝た姿勢になってもらう
- 新しいおむつを被介護者の腰元、おなかの側へ、少しテープを巻いた状態で置く
- 汚れたおむつを外し、丸めた状態にして被介護者の体の下に入れ込む
- 陰部とおしりをきれいに拭き、被介護者の膝を立てこちら向きに寝返らせる
- 汚れたおむつを引き抜き、吸収ポリマーが骨盤に当たるよう新しいおむつをセット
- 被介護者を仰向けにし、巻いておいた新しいおむつのテープ部分を戻す
- 被介護者の足をまっすぐにして、パッドを陰部に沿わせるようにして山折りに
- おむつを当てて、しわにならないようテープで留める
おむつの漏れやかぶれを防ぐ方法はある?
以下のポイントに遵守すれば、介護おむつ交換時の漏れやかぶれ、床ずれを防ぐことができます。実践して、おむつ交換時の手間を減らしましょう。
- 尿漏れパッドを折って性器に当て、ギャザーを広げたおむつと併用する
- ギャザーは立てて足の付け根やウエストのラインに丁寧に沿わせてから、テープで留める
- シャワーや濡れた布で拭いたお尻や陰部は、必ず乾いた布でも拭いて十分に乾かす
- 乾かしたお尻と陰部には、ワセリンやオイルを塗って保湿し、肌トラブルを予防
おわりに:丁寧に対処すれば、介護おむつ交換の手間は結果的に少なくなる
事前に必要な物、また被介護者の心の準備をしておくことで、介護おむつの交換は手早くスムーズに行えるようになります。また尿漏れパッドと併用し、交換の度に丁寧な拭き取りと乾燥、保湿を行っておけば、おむつ交換の回数や肌ケアの手間を減らすことができます。本記事を参考に適切な手順を理解し、丁寧かつ手早いおむつ交換スキルを身につけましょう。
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