ポータブルトイレは介護にどう役立つ?

介護

高齢になると、自力での排泄やトイレまでの移動が困難になることがままあります。

今回は、排泄介助が必要になったときに便利な「ポータブルトイレ」をご紹介。介護現場でどのように有用なのか、種類別の機能や選び方とあわせて解説します。

ポータブルトイレを使うとどんなメリットがある?

ポータブルトイレとは、持ち運び可能なトイレのことです。下水管と接続しておらず、基本的には汲み取り式であるため、自由に持ち運び・設置できるのが特徴です。

一人でトイレまで移動するのが困難な人でも、寝室に持ち込めばおむつを使わず自室で排泄できるようになります。

介護の現場でポータブルトイレを使うことのメリットとしては、以下が挙げられます。

介護される側、高齢者にとってのメリット
  • トイレまで行かなくても排泄できるので、移動中の転倒やケガのリスクを減らせる
  • 広い部屋に設置すれば、排泄介助をしてもらうのに十分なスペースを確保できる
  • 排泄のたびに、家族を呼んだり起こしたりすることへの精神的負担を減らせる
介護する側、高齢者の家族にとってのメリット
  • おむつ替えやトイレまで移動を伴う場合に比べ、排泄介助への時間的な負担が少ない
  • 高齢者介護に伴う、排泄介助への肉体的・精神的負担感が減る
  • 特定福祉用具であるため、介護保険制度を利用し申請すれば安く購入・レンタルできる

ポータブルトイレの種類や機能にはどんなものがある?

ポータブルトイレには、素材とデザイン別に「プラスチック製標準型」「木製いす型」「金属製コモード型」「スチール製ベッドサイド型」の4種類があります。

以下から、4種類それぞれのポータブルトイレの特徴を理解していきましょう。

プラスチック製標準型

比較的安価で軽量、掃除もしやすいポータブルトイレです。家庭での使用・持ち運びを考えれば非常に実用的ですが、一方でグラつきやすいという欠点もあります。

このタイプのポータブルトイレを利用するなら、別に手すりを設置した方が良いでしょう。

木製いす型

普通のいすとして使用できるほどデザイン性が高く、木製ゆえの重みもあるため、安定性に富んだポータブルトイレです。寝室等に置いても、違和感なく使用できるでしょう。

ただ重いので、家庭内での頻繁な持ち運びは困難です。動かさない前提で、あらかじめ設置場所を決めておく必要があります。

金属製コモード型

一般的なプラスチック製のトイレを、金属のパイプで覆ったような見た目のポータブルトイレです。

安定感があって使いやすいですが、見た目が無機質な印象を与えるので、部屋の中に置くとどうしても違和感が出てしまいます。

スチール製ベッドサイド設置型

ベッドからスライドするように移乗し、排泄できるようデザインされたポータブルトイレです。

基本的に、ベッドサイドに設置し利用する前提で作られています。重いので、持ち運びをしにくいのが難点です。

また一部のポータブルトイレには、以下のような機能が備え付けられています。

座面の高さ調節機能
利用する高齢者の体格や身体状況、ベッドの高さなどに合わせ、座面の高さをコントロールできる機能です。
ひじかけの跳ね上げ、着脱機能
姿勢を安定させて排泄できるよう、ほとんどのポータブルトイレに付いているひじ掛けを、移乗しやすいように上げ下げしたり、着脱する機能です。
ソフト便座機能
高齢者には、筋力の低下からおしりが痩せてしまい、座るときに痛みが出ることもあります。このため排泄時におしりが痛くならないよう、樹脂製のやわらかい便座も選べます。
温水洗浄機能
普通のトイレと同じように、ポータブルトイレにも温水洗浄機能付きのものがあります。自力でうまくおしりを拭けない人、肌が弱い人に嬉しい機能です。

ポータブルトイレは、何を基準に選べばいい?

ポータブルトイレを選ぶときに基準にすべきことは、以下4つあります。

どこに設置する予定なのか

種類や付属する機能により、ポータブルトイレの重さや大きさはさまざまです。

設置予定の場所にどのくらいのスペースがあるのか、あらかじめ想定・確認したうえで、ポータブルトイレの州類や大きさも選ぶ必要があります。

利用者の体格、身体的事情に合っているか

ポータブルトイレは、使う人に合った大きさや機能のものでないと、かえって高齢者とその家族の排泄へのストレスを増やしてしまいます。

以下を基準に必要な機能を考え、利用者の事情に合ったポータブルトイレを選びましょう。

  • 座面の高さ⇒利用者の身体的事情に合わせられるよう、調整機能付きのものを選ぶ
  • 座面の大きさ⇒利用者が座った姿勢を維持、下着の着脱がしやすいものを選ぶ
  • 背もたれ⇒長時間トイレを使用するようなら、背もたれパーツ付きのものを選ぶ
  • ひじ掛け⇒利用者の使い勝手に合わせられるよう、跳ね上げ・着脱機能付きのものを選ぶ
  • 蹴り込みスペース⇒足腰が不安定な人が利用するなら、便器下にスペースがあるものを選ぶ

他に必要な、または欲しい機能は何か

先述した機能以外にも、ポータブルトイレには「脱臭」や「便座の暖房」機能付きのものもあります。
利用者と介護者の事情を鑑み、必要な機能は何かを考えて、ポータブルトイレの種類・機能を選んでくださいね。

安定感と持ち運びのしやすさ、どちらを重視するか

重く安定感のあるポータブルトイレなら排泄がしやすいですが、設置した後の持ち運びが難しくなります。逆に持ち運びのしやすいものは、安定性に欠けてしまいます。

安定感と持ち運びのしやすさ、どちらを重視するか。利用する高齢者本人と家族で話し合い、決めてからポータブルトイレを選ぶ必要があります。

おわりに:ポータブルトイレは、排泄にかかわる介護の強い味方

持ち運びができ、どこにでも設置できるポータブルトイレは、排泄介助を必要とする高齢者・家族の強い味方です。汲み取り式なので、高齢者の自室や寝室のどこにでも設置でき、トイレまでの移動に伴う転倒やケガのリスク、排泄介助に伴うストレスを減らすことができます。その種類は素材や付随する機能により、プラスチック製や木製、ベッドサイト設置型までさまざま。各家族の事情に合わせ、適したものを選んで使用しましょう。

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