「介護が必要になっても家族とともに慣れ親しんだ自宅に暮らし続けたい」という高齢者のために用意されている制度が、在宅介護サービスです。
今回は在宅介護サービスについて、どんな種類があるのか、サービスを受けるにはどんな手続きを踏めばいいのか、わかりやすく紹介していきます。
在宅介護サービスにはどんな種類があるの?
自宅、または居宅と見なされる施設に住み続けたまま介護サービスを受けることを、在宅介護サービスと言います。
在宅介護サービスと認められるものには、以下のような種類があります。
- 訪問介護
- 介護職員が自宅に出向き、身体介護や生活支援を行う
- 訪問入浴介護
- 看護師や介護職員が専用車で自宅に出向き、入浴介助を行う
- 訪問看護
- 看護師や保健師が自宅に出向き、医療処置にかかる管理・処置をする
- 訪問リハビリテーション
- 理学療法士や作業療法士が自宅に出向き、リハビリテーションを提供する
- 居宅療養管理指導
- 医師や歯科医師など、医療に従事する人が後遺症や健康上の不安がある人の自宅に出向き、管理・指導をする
- デイサービス
- 自宅からの送迎付きで、通所型介護施設で生活支援や身体介助、健康状態の確認やリハビリテーションなどを受ける
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 自宅からの送迎付きで、通所型介護施設で医療的なケアやリハビリテーションを中心とした介護サービスを受けられる
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 数日から1週間の短期間、介護施設に宿泊して介護サービスを受ける
- 短期入所療養介護(ショートステイ)
- 数日から1週間の宿泊期間中に、医療的処置やリハビリテーションなどを中心とした介護サービスを受ける
- 特定施設入所者生活介護
- 介護保険上は居宅とされる有料老人ホームなどに入所し、生活支援や身体介助、療養上の世話などをしてもらう
- 福祉用具貸与
- 介護の内容に合わせ、車いすや歩行器、手すりなどを貸してもらえる
在宅介護サービスを受けるには、どうすればいい?
在宅介護サービスを受けるための手順は、以下の通りです。
《1》 要介護認定を受ける
まずは市区町村の担当窓口に申請し、認定調査員やコンピューターでの審査を受けて5段階のうちいずれかの要介護認定を受けましょう。
《2》 要支援度、要介護度をもとにケアプランを作成
介護サービスは、介護の計画書であるケアプランをもとに提供されます。
このため、在宅介護サービスを受けるのにもケアプランは欠かせません。
ケアマネジャーに相談しながら、現状に合ったケアプランを一緒に作っていきましょう。
《3》 定期的に見直しをしながら、ケアプランに沿って在宅介護サービスを受ける
ケアプランが確定し、プランに基づいて必要な介護事業所と契約したら、実際に在宅介護サービスを受けられるようになります。
なお在宅介護サービスを受ける中でトラブルが発生したり、身体症状の悪化から要介護度が変更になった場合などは、ケアプランから見直してサービス内容も変更します。
また要介護認定を受けられず、2段階の要支援認定のみ受けられた場合でも、在宅で「介護予防サービス」を受けることが可能です。
この場合は、地域包括支援センターにケアプラン作成について相談してくださいね。
おわりに:要介護認定を受け、ケアプランを作れば在宅介護サービスは受けられる
自宅、または介護保険上は居宅と認められる施設に住みながら受ける介護サービスのことを、在宅介護サービスと言います。主に要介護、または要支援認定を受けても自宅での生活を望む高齢者向けに創られたもので、他の介護サービスと同様、ケアプランに沿って受けることになります。在宅介護サービスを受けたいなら、まずは要支援または要介護認定を受けたうえで、ケアマネジャーに相談しましょう。
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