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介護保険外サービスには、どんなものがあるの?

介護

誰しも高齢になると、とくに病気などにかかっていなくても、若い頃と比べて身体能力は低下してくるものです。すると、若い頃にはバリバリこなせていた日常生活も、すべてを自分でこなすのは辛くなってくることがあります。

そんなとき、介護保険サービスではカバーしきれない日常生活におけるサポートをしてくれるのが「介護保険外サービス」です。介護保険外サービスが補う具体的な内容について、詳しく見ていきましょう。

介護保険外サービスって、なんのこと?

介護保険サービスは、サービス内容が介護保険制度の枠内のものに限られてしまいます。また、介護認定を受けていない比較的元気な高齢者は、介護保険サービスを利用することができません。このように、介護保険の適応外だけれど、生活のサポートとなるようなサービスを利用したい、といういわば抜けた部分を補うような形で提供されるのが「介護保険外サービス」です。

介護保険サービスと介護保険外サービスをおおまかにまとめると、以下のようになります。

介護保険サービス
生活援助…掃除・洗濯・寝具整え・衣服の整理や補修・一般的な調理・買い物・薬の受け取り
身体介護…食事介助・排泄介助・入浴介助・衣服の着脱介助・通院や外出の介助・就寝や起床の介助
介護保険外サービス
散歩や趣味のための外出介助、来客へのお茶出し、食事の手配
金銭管理や契約書の記入などの手伝い、正月や節句などの特別な手間をかけた調理
同居する家族の援助となる洗濯・調理・買い物・布団干し・掃除などの家事手伝い
大掃除や窓のガラス磨き、床のワックスがけ、家屋の修理、家具の移動や修繕
草むしりや花木の水やり・手入れ、散歩などペットの世話、車の洗車や清掃

このように、介護保険内で行えるサービスは決まっているため、例えばお正月にはおせち料理が食べたい、大掃除をしてほしい、心のなぐさめにペットを飼っているからその世話をしてほしい、などの要望があっても、介護保険内では提供できません。そこで、こうしたサービスは介護保険外サービスとして提供されているのです。

また、同居家族がいる場合は、原則として介護保険サービスの「生活援助(洗濯・調理・買い物など)」を受けることができません。家族にやむを得ない事情がある場合を除き、同居家族がいても生活援助を受けたいという場合は、介護保険外サービスを利用しましょう。

介護保険外サービスの種類にはどんなものがある?

介護保険外サービスには、公的なものと民間のものがあります。それぞれについて具体的に見ていきましょう。

公的な介護保険外サービス

介護保険外サービスと言っても、自治体などの公共機関が行っているサービスはたくさんあります。例えば、以下のようにざっと挙げただけでも14種類のサービスがあります。

配食サービス
一人暮らしの高齢者、あるいは高齢者・障害者世帯で食事作りが難しい人向け
昼食や夕食を自宅に届けるサービスで、全国のほとんどの自治体が実施している
有償家事援助
高齢者を対象に、食事・洗濯・掃除・買い物・外出の介助・留守番・話し相手などの日常生活のサポートを行う
送迎・移送サービス
市町村やシルバー人材センターのサービスとして、自宅から病院や高齢者福祉施設までの送迎サービスを行う
身体の不自由な高齢者などが対象で、寝たまま、または車椅子に乗ったまま利用できるサービスも
寝具の丸洗い・乾燥
主に65歳以上の一人暮らしや、身体が虚弱な高齢者世帯向けのサービス
寝具の衛生管理が難しい人を対象に、掛け布団・毛布・敷布団各1枚を1セットとして、丸洗い・乾燥・消毒を行う
布団乾燥消毒車を利用者の自宅に配車して実施する
電磁調理器の購入助成
高齢者世帯では、ガスの火が衣類に移ったり、消し忘れて出火したりするリスクが高い
こうした事態を防ぐため、ガスではなく電気で加熱する電磁調理器の購入を自治体が助成している
認知症高齢者見守りサービス
自宅で暮らす認知症の患者さんの見守り・話し相手・外出支援(散歩)などをサポートする
徘徊高齢者緊急ネットワーク
市町村では、徘徊高齢者の早期発見と事故防止のために腸内や警察との連携を構築している
認知症による徘徊の恐れがある人を事前登録しておき、徘徊が起きた場合に気づいた人が連絡すると、警察・消防・協力団体などへメールで情報が配信され、可能な範囲で捜索に協力してもらえる
火災報知器の給付・取り付け
家事の被害を大きくしないため、火災報知器や消火器などを給付し、取りつける
煙探知機や熱感知器式の住宅用警報機を取り付けている自治体も
緊急通報システム
自宅で急病などの緊急事態に陥ったとき、あるいは急な事故が発生したときに備えて通報システムを貸与してもらえる
さらに、専門の警備員が現場に出動、安否確認や救助を行う
住宅改修支援および階段昇降機設置費助成
転倒予防など、住居内をバリアフリーに改修する費用を助成してくれる
高齢者の在宅でのQOL(生活の質)を確保・維持するため
紙おむつ給付または購入費助成
日常生活、あるいは在宅の寝たきり状態で紙おむつを必要とする高齢の人に、紙おむつを給付するサービスがある
自治体によっては現物ではなく、紙おむつの購入費を助成しているところも
訪問理美容
外出困難な高齢者向けに、髪のカットなど理美容のサービスを提供する
高齢者生きがい支援
高齢者が地域の中で元気に生きがいをもって暮らせるような活動を支援する
老人の憩いの家などでの交流や、趣味活動なども支援している
福祉電話設置
福祉電話を貸し出し、電話料金の一部助成などを行う
電話相談センターから安否の確認ができる

このように、介護保険の枠内にはおさまりきらないものの、日常生活でサポートがあると高齢者がより暮らしやすいサービスを「介護保険外サービス」として提供しています。実際に家事や寝具の洗浄などを代わって行うサービスの他、住宅のバリアフリー化や電磁調理器の購入費用の助成など、大きな被害を起こす前に予防しておくタイプのサポートもあります。

民間の介護保険外サービス

民間で行える介護保険外サービスは、公的なサービスと比べると費用はやや割高なことが多いですが、サービスの内容も選択肢が多く、公的なサービスや介護保険内ではできないことを補うほか、緊急の場合に利用できるサービスも多いです。以下、配食サービス・家事代行サービス・移送サービスの3種類に分けてご紹介します。

配食サービス
コンビニチェーン・生協・弁当チェーンなどが行っているサービス
中には、糖尿病などの治療食や介護食、減塩や低カロリーの弁当など、体調に合わせたメニューが選べるところも
お弁当だけでなく、お惣菜や食材、買い物を代行してくれるサービスも
手渡しを原則としている業者を利用すると、安否確認にもなる
家事代行サービス
清掃会社・警備会社・家事代行サービス会社などさまざまな企業が提供している
定期的に複数回来てもらうプランが中心だが、月1回、単発、短時間コースなどさまざまなプランがある
内容例:掃除全般(ゴミ出しや小物整理を含む)、洗濯、洗い物(クリーニング引き渡し、食器洗い、リネン洗濯や交換など)、その他アイロン・靴磨き・日用品買い出しなど
移送サービス
日本民間緊急グループ、全民救患者搬送協会などの介護移送サービス、タクシー会社などが行っている
民間の移送サービスなら、通院だけに限らず、転院・買い物・観光・イベント参加などさまざまな目的で利用できる
寝台車両を備えている、看護師やヘルパーが同乗する、緊急時の対応ができるなどサービス内容もさまざま
利用料金は、運賃と介助料が基本で、その他予約料、オプションとして人工呼吸器などの特殊介助、ストレッチャー使用料などがある
※運賃は会社によってメーター制、時間制、貸し切り制などさまざま

民間サービスは、きめ細やかで行き届いたサービス、臨機応変な対応が期待できる、利用できる範囲が広い、など公的サービスでは得られない部分のサービスが受けられます。とくに、通院以外でも介護車を利用したいという人も多いでしょう。そんなときは、ぜひ民間の移送サービスを探してみてください。利用料金は会社やサービス内容によっても異なりますので、気になる場合は問い合わせてみましょう。

おわりに:介護保険外サービスは、かゆいところに手が届く日常生活支援サービス

介護保険サービスは、要介護と認定された人向けのサービスですから、要介護認定されていない元気な高齢者は受けられないほか、サービスの内容も非常に限定されています。そこで、介護保険サービスに含まれない部分の日常的なサービスを受けたいとき、介護保険外サービスが便利です。

公的なサービスも民間のサービスも、たくさんの種類があります。介護保険適用にはならない日常生活での困りごとがあれば、ぜひ利用してみましょう。

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