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介護うつの症状をチェック!発症してしまった場合の対処法は?

老後の不安・悩み

超高齢化社会といわれる日本で、増えつつあるのが「介護うつ」の発症者です。国の統計では、介護者の約60~70%がストレスを抱えている状態ということがわかっています。今回はそんな介護うつの症状や、発症してしまった場合の対処法についてお伝えしていきます。

介護うつとは? 仕事を辞めた人は発症しやすい?

そもそも介護うつとは、病気の名前ではありません。家族の介護が原因で心身に負担がかかり、発症するうつ病を意味します。

特に在宅介護をしている人は、大半の時間を介護に尽くすことになるので、肉体的・精神的にストレスが溜まりやすい状態です。夜間も要介護者の徘徊や排泄の処理等で呼び出される等の状況下から、睡眠時間が削られる人も少なくありません。そういった負担の中、長期間介護をしていると、「ずっとこの生活が続くのか」と不安感を覚えたり、要介護者が認知症などを発症している場合は円滑に介護ができず、「尽くしても報われない」と虚無感を覚えたりします。

さらに、家族がかなりの介護を必要とする状況の場合、仕事との両立ができないために「介護離職」をせざるを得ないケースも多いです。すると外部との接点が極度に少なくなるため、独りでストレスを抱えやすい状況になり、また収入が減ることから金銭的な負担も感じるようになります。

これらの心理的・金銭的負担やストレスが蓄積された結果、発症することがあるのが介護うつです。

介護うつの症状をチェック

前述の通り、介護うつはうつ病を意味します。そのため、下記のようなうつ病の症状が現れます。

気力が出ない、頑張れない
今まで普通にできていたことにも、やる気が出ない
今まで好きだったことに興味や意欲が湧かない
人と会うのが億劫だ
漠然とした不安を感じる
落ち着きがなく、ソワソワした状態が続く
イライラする
眠れない(寝つけない、眠りが浅い)
それほど重労働はしていないのに、体がだるい
疲れがずっと取れない
食欲がないor過食傾向にある
体重の低下
腹痛や下痢、動機、頭痛といった原因不明の不調

介護を始めてから上記の症状が複数出るようになった場合は、悪化する前にうつ病治療等の対策が必要です。重度化すると、希死念慮が出る恐れもあります。
なお、介護が終わってからも抑うつ状態が続いたり、介護負担から解放された途端に落ち込むようになった場合も、同様に心療内科の受診が勧められます。

責任感が強い人は介護うつになりやすい?

長期間、介護による心身の負担が続けば、多くの人はストレスを感じてしまうものです。しかし特に責任感の強い人は、「家族だから自分が頑張らなくては」という気持ちが大きいために、自らの体調が悪くなっても他人に任せず、自分を精神的に追い込みやすい傾向にあります。

また、真面目で几帳面、完璧主義な人も介護うつになりやすいといわれています。介護の手抜きをせず、全てをきっちり自分でこなそうとしたり、自分の生活よりも介護を優先したりするために、その分大きなストレスを抱えやすいです。

厚生労働省の統計では、介護にストレスを感じている人が大半

平成28年度の国民生活基礎調査によると、要介護者と同居して介護している人のうち、ストレスを感じている人は68.9%にのぼるという結果が出ています。性別で見ると女性の72.4%、男性の62.0%がストレスを抱えており、女性の方が負担が大きいことがわかっています。

なお、同居での介護時間を要介護度別に見ると、「要支援1」~「要介護2」までは「必要なときに手を貸す程度」の時間を割けば済む傾向にありますが、「要介護3」以上で最も多いのは「ほとんど終日手を貸す」状態です。この「ほとんど終日」のケースの主な介護者は女性が約70%、男性が約30%と、女性の介護負担の大きさを物語っています

参考:厚生労働省「平成28年度 国民生活基礎調査」

介護うつを発症してしまったら?

介護うつに該当する症状が見られる場合は、下記の対処をすぐ行うようにしましょう。

身近な人に相談する

「家庭の事情を他人に話すのに抵抗がある」「自分は冷たい人間だと思われてしまいそうで言いづらい」等の思いから自分でストレスを抱え込むと、介護うつが悪化してしまう恐れがあります。人に相談するだけでも悩みは軽くなるので、まずは周りの家族や親戚などに相談し、できれば複数人体制で介護を行うようにしてください。
それが難しい場合は、介護経験のある友人に相談してみても良いでしょう。

地域包括支援センターに相談する

話せる家族や友人が近くにいない場合は、地域包括支援センター(高齢者総合相談センター)に相談するのが良いでしょう。

地域包括支援センターとは、65歳以上の高齢者の困り事に応じてくれる相談所のようなものです。各市区町村に配置されており、高齢者の健康状態の維持や、保健福祉医療の工場、生活安定に必要な援助を包括的に行っています。

相談すれば、必要に応じて福祉サービスが受けられるよう、関係機関との連絡調整を行ってくれる場合もあります。

介護サービスを利用し、自分の時間を確保する

自分の時間や労力を全て介護に向けてしまうと、心身は疲れ切ってしまいます。介護に疲れたなら、昼間受け入れてくれる通所介護サービス(デイサービス)、1日単位で利用できる短期入所生活介護(ショートステイ)などの介護サービスを利用し、自分の時間を確保するようにしてください。
そしてその自由時間で、ご自身がリフレッシュすることが大切です。

(要介護者の介護度によって、利用できる介護サービスは異なるので、ケアマネージャーと相談することも必要です。)

うつ病の治療

介護うつによる症状や睡眠障害には、抗不安薬や気分安定剤、睡眠薬も有効です。カウンセリングや認知行動療法(現実の受け取り方や、悲観的すぎる認知を修正させる心理療法)といった精神治療が効果的なケースもあるので、まずは心療内科や精神科を受診しましょう。

おわりに:介護うつの状態になったら、まず自分の心身を労ろう

介護うつを放置すると、ご自身の心身の疲労が限界を迎えてしまい、要介護者と共倒れの状態になってしまう恐れもあります。そうなる前に地域のサービス等を適宜利用し、ご自身の心を癒す時間をしっかり設けることが大切です。

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