特定の施設や病院に通うのが困難な人に向け、提供される医療や介護のサービスのことを「訪問型サービス」と呼びます。
今回は訪問サービスとは何か、具体的にどのようなものが訪問サービスに該当するのかも例示しながら、解説していきます。
訪問型サービスって何?
介護保険制度を利用する人のもとへ、介護職員や医師、看護師などが訪れて提供する医療・福祉サービスが訪問型サービスです。
医療や介護の専門家が居住する場所まで来てくれるので、高齢者は通所・通院の負担や転倒のリスクを減らしたうえで、必要なサポートを受けられるようになります。
サービスの内容としては洗濯や掃除、買い物、料理などの生活支援や、食事や排泄、入浴を安全に行うための身体介助、健康状態を改善するための医療措置などが挙げられます。
訪問型サービスの種類ごとの違いは?
訪問型介護サービスには、介護職員が利用者の自宅・居宅を訪問しての訪問介護以外に、A・B・C・Dの4種類があります。
以下からはA・B・C・Dの種類別に、訪問型サービスの内容を解説していきます。
訪問型サービスAとは
調理やゴミ出し、掃除、ひとりでは困難な買い物の代行などの日常性生活の支援を、訪問介護員が行うサービスです。近年の基準緩和により、提供されるようになりました。
訪問型サービスBとは
調理や掃除、整頓、ゴミ出しなど、高齢者ひとりでは困難なこまごまとした生活上の雑務を代行してくれるサービスです。
担うのは、地域に暮らすボランティア団体であることが多いため、安価または無料で利用できます。地域住民全体で介護が必要な高齢者を支えよう、という取り組みの一環です。
訪問型サービスCとは
体力の回復や健康の管理・改善、引きこもりや、日常生活動作の改善を目的に、数か月の短期間のみ市区町村の保健・医療の専門家が訪問してくれるサービスです。
各人のケアプランに沿って、以下のようなプログラムでサービスを提供します。
- 栄養改善プログラム
- 管理栄養士が作成した個別計画書に基づき、低栄養の予防・改善を支援する
- 口腔機能の向上プログラム
- 歯科衛生士や言語聴覚士が個別計画書を作成し、口腔機能と口腔環境の改善を支援する
- 認知機能の低下予防・対策プログラム
- 認知機能の低下が予想される高齢者に対し、体と脳を刺激するプログラムを提供する
- 運動器の機能向上プログラム
- 運動機能低下が懸念される高齢者に対し、理学療法士や看護師が中心となって個別計画書を作成し、リハビリテーションやトレーニングメニューを教える
- 膝痛、腰痛対策
- 日常的に膝や腰に痛みのある高齢者に、症状と下肢機能改善のための支援を提供
- 閉じこもり予防、支援
- 自宅に引きこもりがちな高齢者の心身機能が低下しないよう交流し、地域のイベントや創作活動、レクリエーションの場を積極的に案内する
- うつ予防、支援
- 高齢者のうつ発症・悪化を予防するために、保健師や社会福祉士、看護師などのチームでさまざまなプログラムを提供
- 日常生活動作の改善
- できるだけ自立した日常生活を送れるよう、生活動作の改善を支援する
訪問型サービスDとは
買い物や通院、また外出時に安全に移動できるよう補助するサービス。訪問型サービスBと同じく、主に地域住民がボランティアで担ってくれています。
おわりに:訪問型サービスとして、身体介助だけでなく医療措置や生活支援も受けられる!
自宅・居宅にいながら、支援者の訪問を受けることで医療・介護関連のサポートを受けられることを訪問型サービスと言います。具体的には、医師や看護師、理学療法士などによる医療的措置やリハビリ、介護職員による生活支援・身体介助の他、地域住民のボランティアによる生活支援や移送援助も受けることができます。訪問型サービスを受けたいなら、まずは地域包括支援センターか担当のケアマネージャーに相談してみましょう。
コメント