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高齢者の熱中症の特徴と予防対策とは?

介護

熱中症はどの年代でもかかりうる症状の1つであり、場合によっては重篤な状態を引き起こすこともある油断できない症状ですが、高齢者は若年者と比べて熱中症になりやすく、夏場はとくに注意が必要です。

そこで、高齢者の熱中症の特徴と、その予防対策についてまとめました。夏場はどうも調子が悪くなりやすいという人は、ぜひチェックしてみてください。

高齢者が熱中症になりやすいのはなぜ?

高齢者が熱中症になりやすい理由は主に「体温調節機能など、体機能の低下」「暑さや喉の渇きなどに対する反応性の低下」「エアコンに対する苦手意識」の3つが挙げられます。それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

高齢者は加齢によって、若年者と比べさまざまな体の機能が衰えています。そのため体温調節機能が低下し、暑いと感じても汗をかきにくくなり、体温が高くなりすぎることがあります。また、フレイルという体力低下や低栄養による虚弱状態に陥っていると、熱中症になったときに回復しにくいため、すぐに対処しなければ重症化してしまうリスクも高いです。

また、高齢になると暑さや喉の渇きを自覚しにくくなるため、一般的には暑いと感じるような部屋の温度に気づかず長時間過ごしてしまったり、喉の渇きに気づかず脱水症状を起こしたりしやすくなります。さらに、認知症を発症していると気温に対して適切な服装をできなかったり、自分で室温をコントロールできなかったりして熱中症になってしまうこともあります。

そして、近年とくに問題となっているのが、エアコンや扇風機の人工的な風を嫌がる高齢者が多いということです。昔は気温そのものが現代と比べて低かったため、夏に暑くても窓を開けて風通しを良くするだけで十分快適に過ごせたのですが、現代では気温が高くなっているため、窓を開けるだけでは室内の温度が十分に下がらず、熱中症になってしまうことが多いのです。

比較的若い世代ではエアコンや扇風機への抵抗が少ないことや、暑さを自覚しやすいことから、夏になると適宜エアコンや扇風機をつけて対策できるのですが、高齢者は上記のように昔の感覚のまま窓を開けるだけで済ませてしまい、しかも暑さを自覚しにくいために熱中症で倒れるまで気づかないケースも少なくありません。

高齢者の熱中症を予防するための対策は?

では、上記のような高齢者の熱中症を防ぐためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。熱中症リスクが高い7月〜9月頃には、とくに以下のような対策が必要です。本人が気づかない、上手く対策できないという場合は、周囲の人がサポートしてあげると良いでしょう。

昆布茶や味噌汁でミネラル・塩分を補給する
  • 熱中症予防のためには、水分とともに塩分の摂取が重要
  • スポーツ飲料の場合、塩分が少なく糖分が多いため、昆布茶や味噌汁がおすすめ
  • 近年は経口補水液も増えているため、いざというときのために数本常備しておくと良い
心臓や腎臓に持病がある場合、水分摂取には注意する
  • 心臓や腎臓に疾患がある場合は、熱中症予防のためと言っても飲み過ぎは厳禁
  • 代謝しきれずむくんだり、持病がさらに悪化したりする危険性も
  • このような場合は、医師と相談して無理のない範囲で水分補給を行う
体の芯を冷やさない
  • 水分はとにかくたくさん摂ればよいというものではなく、摂りすぎれば冷えなど体の不調の原因になることも
  • 冷たいものの飲みすぎ・食べすぎにもならないよう注意する
エアコンや扇風機が苦手なときは
  • エアコンの冷気が苦手な場合、直接体に当たらないよう風向きを調節する
  • さらに扇風機で冷気をかきまわし、部屋全体に冷気が行き渡るようにするとよい
  • 扇風機が苦手な場合も同様に、体に当たらないよう風向きを調節するとよい
  • 脇の下・首・脚の付け根など、太い血管の近くを冷やすのもおすすめ
日中の不要不急の外出を控え、日傘や帽子を忘れずに
  • 日中に買い物に出かける習慣がある人は少なくないが、夏場は12〜15時ごろの外出を避ける
  • 出かけるときは、日傘や帽子で暑さを遮る工夫をし、水分を持ち歩く

最初にもご紹介したように、近年の夏の暑さは高齢者がかつて経験したことがないほど強烈で、長年培ってきた生活習慣や気持ちの面では暑さに対処しきれない人も少なくありません。住環境も、木造であっても機密性が高いものなども増え、熱中症になりやすい環境が揃ってしまっているとも言えます。そのため、周囲の人ができるだけ気にかけ、安全な環境づくりをサポートしてあげるのが良いでしょう。

高齢者の熱中症、こんなときには気をつけよう

高齢者の熱中症が多いと言われる背景には、実際に多くの高齢者が熱中症で体調不良になったり、命を落としたりしていることがあります。例えば、2013年の日本における熱中症による死亡者は550人でしたが、そのうちの85%を占める474人が65歳以上の高齢者だったとわかっています。高齢化社会で高齢者の割合が増えているとはいえ、この割合は高すぎると言えるでしょう。

そこで、高齢者の熱中症にいち早く気づくために、以下のような熱中症リスクの高い行動をしていないかどうかチェックしてみましょう。

  • 厚着をしすぎている
  • 通気性・吸湿性が悪い服を着ている
  • 明らかに暑い部屋なのに、エアコンや扇風機をつけていない
  • 室温が上がりにくいような工夫(こまめな換気、遮光カーテン、すだれなど)をしていない
  • 外出時、日傘や帽子を使っていない
  • 日中(とくに12〜15時)に外出している
  • 水分補給や塩分補給を適宜行っていない

服は、できれば吸湿・速乾機能があるものを着るのが良いでしょう。また、高齢者は暑さに気づきにくいことも多いので、温度計や湿度計を利用して「30度を超えたらエアコンや扇風機をつける」「湿度が80%を超えたら窓を開ける」というように部屋の温度や湿度を管理すると、自分で気づかなくても高温多湿すぎる状況を避け、熱中症を予防しやすくなります

また、本人の体の状態として「口やのどが乾いていないか」「尿の頻度が減っていないか」「皮膚を触ってみたとき、固く乾いていないか(つまむと元にもどらない)」にも注意し、これらの症状があるならすぐに熱中症の対策を取りましょう。

おわりに:高齢者は熱中症になりやすいため、予防対策をしっかりしよう

高齢者は若年者と比べて体の機能や反応性が落ちていることから、体温調節が上手くできなかったり、暑さや喉の渇きに気づきにくかったりして、熱中症になりやすい傾向にあります。そこで、熱中症になりにくいような対策が必要です。

具体的には、こまめに水分補給したり、エアコンや扇風機を使ったり、日中の外出を控えたりしましょう。また、周囲の人が本人の様子をよく見ておき、サポートしてあげることも重要です。

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