一人暮らしの高齢者の「見守りサービス」、どんな種類がある?

老後の不安・悩み

高齢の親と離れ離れで暮らしている人にとって、気がかりなのが親の安否です。特に一人暮らしの高齢者が、突然の病気や怪我で倒れてしまった場合、発見が遅れてしまうケースもあります。そんな事態を防ぐために活用したいのが、高齢者の「見守りサービス」です。各サービスの種類や特徴をご紹介します。

高齢者の「見守りサービス」とは?

「見守りサービス」とは、遠くに住む家族の代わりに高齢者の安否を確認し、サポートしてくれるサービスです。自治体と提携した事業者(生協・水道・ガス・電気・宅配業者等)、民間のセキュリティ会社、郵便局などが主に提供しています。

一人暮らしの高齢者の孤独死や急変を防ぐ

一人暮らしの高齢者と離れて暮らすご家族にとって、気がかりなのが高齢者の容体の急変です。

まだ元気そうに見える高齢者でも、突然の怪我・骨折によって歩行が困難になったり、脳梗塞などで倒れてしまったりすることがあります。発見が遅れると孤独死につながる可能性もあり、実際に東京23区内では孤独死の件数が、約10年で倍近くになっています(内閣府「平成29年版 高齢社会白書 6.高齢者の生活環境」)。

こうした孤独死や急変を早期に発見する上で、見守りサービスは役立つことがあります。一人暮らしの高齢者の親はもちろん、高齢で夫婦暮らしの両親、認知症患者、障害や病気を持つ人のご家族にとっても心強いサービスです。

高齢者の「見守りサービス」の種類と特徴

見守りサービスには、「定期訪問型」「センサー型」「カメラ型」「警備駆けつけ型」「宅配型」「アプリ型」などたくさんの種類があります。種類によって特徴、メリット・デメリットは異なっていきます。

定期訪問型

地域の専任スタッフが高齢者の自宅を定期的に訪問し、安否確認をするサービスです。月に1回30分程度会い(事業者によって、訪問頻度や時間は異なる場合があります)、食事の摂取状況や健康状態、高齢者から受けた相談などを記録し、家族に報告が届くという仕組みになっています。

代表的なのは郵便局の「みまもり訪問サービス」ですが、電気・水道・宅配業者等も類似のサービスを提供している場合があります。

メリット

直接訪問してくれることが、大きなメリットといえるでしょう。一人暮らしの高齢者にとっては会話の機会になるので、孤独感の解消や安心感につながります。

デメリット

月1回程度の訪問なので、日常的な見守りを求める人や、急な容体変化をいち早く確認したいという人には向いていません。また、医療や看護の専門スタッフではなく、あくまで郵便局や業者のサービスの延長なので、ちょっとした変化に気付きにくいというデメリットもあります。

高齢者自身が他人の訪問を嫌がる場合にも、導入しにくいサービスです。

センサー型

高齢者の自宅(トイレや浴室など部屋ごと)に設置されたセンサー機器の感知によって、安否確認をするサービスです。近年はポットなどの家電製品や、ガス・照明・人体で検知するタイプのセンサー機器も登場しています。
高齢者本人の活動量や睡眠、トイレ、外出などの生活リズムを計測した情報をもとに、異常を検知した場合、家族に警報アラームやメールが送信されます。

メリット

24時間365日、センサーが高齢者の生活を見守ってくれるので、生活状況の見守りだけでなく、異変の早期発見がしやすいのがメリットです。例えば、センサー機器の電源が入った状態で長時間動きが感知できない場合は、「親に異変があったのかも?」と気づくきっかけにもなります。
また、契約によっては、緊急時に警備員の駆けつけを利用できるオプションをつけることも可能です。

センサー型見守りサービスを提供する事業は家電メーカー、セキュリティ会社、ガス会社など幅広く、多くの民間企業から自分に合ったものを選びやすいのも、魅力の1つでしょう。

デメリット

センサー型の見守りサービスは、契約料金や月額利用料、機器の代金等で出費が大きいのがデメリットです。企業やセンサーの設置数によって費用は異なりますが、おおよその相場として初回契約は1万5千円程度、月額利用料は3千円程度、機器代は5~8万円程度かかります。

また、基本的にセンサーだけでは、高齢者の顔色や声のトーンなど身体的な異変が感知できないのもデメリットの1つでしょう。

カメラ型

高齢者の自宅にカメラを設置することで、24時間365日、様子を目で確認できる見守りサービスです。リアルタイムでの中継はもちろん、録画機能によって、高齢者の異変を家族が視認しやすくなっています。

メリット

主流のカメラは簡易タイプのものが多く、大がかりな設置工事は基本的に必要ないので、センサー型と比べれば比較的経費は安く済みます。また、配信映像はスマートフォンやPC、タブレットで手軽に確認できるのもメリットといえるでしょう。

なお、セキュリティ会社のカメラ見守りサービスを契約すると出費はかさみますが、深夜や家族の仕事中に高齢者に異変があった時、警備員が迅速に駆けつけるオプションをつけることも可能です。

デメリット

24時間監視されることを嫌う高齢者にとっては、導入が難しいのも事実です。ただ現在はプライバシーに配慮し、警報が出たときだけ室内の映像が見られるように工夫された機器もあります。

警備駆けつけ型

緊急時に高齢者がボタンを押すことで、警備員が駆けつけてくれるサービスです。セキュリティ会社が提供していることが多い見守りサービスで、高齢者が具合が悪い時にボタンを押せば、ヘルスケアの専門スタッフの健康相談を受けられる場合もあります。

メリット

基本的には24時間対応サービスなので、深夜に高齢者に急な容体変化が起きてもすぐ気付けるのがメリットです。状態によっては救急外来につなぎ、迅速な医療ケアを実施することができます。

デメリット

業者によりますが、機器代は約4~5万円、月額利用料は2~3千円程度かかるため、費用負担が大きいのはデメリットです。また、高齢者がボタンを押せずに急に倒れてしまった場合、セキュリティ会社に通知が届かないのもネックの1つです。

宅配型

食事や郵便の配達時に、高齢者の健康状態や安否確認ができる見守りサービスです。食事の宅配業者が主にサービスを展開していますが、市場規模は他のサービスと比べると小さく、受けられないエリアも存在します。

メリット

定期訪問型サービスと似ていますが、食事の提供があるのがメリットでしょう。定期訪問型に比べると訪問回数も多く(業者によりますが、平日週5回届けてくれる場合が多いです)、担当の配達員が高齢者の健康状態を確認してくれます。その際に食事の内容について、高齢者の要望を聞くこともできます。

また、センサー型、カメラ型、警備訪問型の見守りサービスと比べると、宅配型見守りサービスの費用相場は安めです(相場は食事代込みで、月2~3万円)。

デメリット

毎日の食事の配達時間は決まっており、1人の配達員が複数の高齢者宅を担当することから、緊急時に迅速な対応をするのは難しいです。また、あくまで宅配サービスの延長なので、介護や栄養相談など専門的なケアまで任せたい場合は、物足りない側面もあります。

アプリ型

近年利便性から注目を集めているのが、アプリ型の見守りサービスです。高齢者と見守る側の家族の双方がアプリをインストールし、使用することによって、毎日簡単な意思疎通をはかることができます。

メリット

スマートフォンの種類によって利用できるアプリは異なりますが、無料のものがあるので出費は大分抑えられます。また、高齢者はスマートフォンの操作に不慣れな場合が多いですが、該当アプリのほとんどはボタンをタップするだけでメッセージを簡易入力できるので、実践可能な高齢者も少なくありません。

デメリット

高齢者がスマートフォンの操作に抵抗があったり、使用が困難な場合は、導入することが難しいでしょう。

おわりに:見守りサービスの内容や費用は様々。導入前に特徴を比較しよう

一人暮らしの高齢者の数が増加する現代日本では、ご紹介したような「見守りサービス」の普及が進んできています。サービスの内容によって費用はかなり異なるので、高齢者の健康状態や経済状況に合ったものを取り入れることが大切です。
なお、自治体によっては特定の事業と提携し、見守りサービスを実施しているところもあるので、導入を検討している人は高齢者がお住いの市区町村のページを調べてみると良いでしょう。

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