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漢方薬は認知症のどんな症状に効くの?

認知症

脳の機能が低下し、さまざまな症状を引き起こす認知症は、根治できない病気です。
症状の進行を遅らせるための治療では、薬の他に漢方薬が使われることもあります。

今回は認知症の症状と漢方薬との関係を、使われることの多い漢方薬の種類と特徴とあわせて、ご紹介していきます。

認知症の症状と漢方薬との関係とは

認知症の症状のうち、漢方薬の効果が期待できるものとしては以下が挙げられます。

認知症による認知機能低下で起こる、行動や心理症状
突然の興奮、感情の高ぶり、暴力、幻視、妄想  など
認知症が原因で起こる心身への合併症や、持病の悪化
不眠、食欲不振、便秘、けいれん、排便の困難、筋肉の衰えや低栄養による転倒と骨折の予防、持病の高血圧や高脂血症、糖尿病の進行 など

効き目には個人差があるものの、漢方薬には認知症による諸症状に全般的に作用し、改善する効果が期待できるのです。

認知症で使われる漢方薬の種類は?

ここからは、認知症改善のために使われることの多い5種類の漢方薬について、それぞれの特徴を解説していきます。

抑肝散(よくかんさん)

イライラや怒り、興奮、焦燥感、不安などの神経の高ぶりを鎮める作用のある漢方薬です。

東洋医学では「肝(かん)」が高ぶるとさまざまな神経症状が現れると考えられていることから、肝の働きを散らす漢方薬としてこの名前がつきました。

もともとは子供の夜泣きやかんしゃくに使われていましたが、近年では認知症による症状や更年期障害など、大人の神経症状の緩和にも使われています。

釣藤散(ちょうとうさん)

特に高血圧による頭痛、慢性的なめまい、肩こりなどの緩和に効果的とされる漢方薬です。

中年以降で比較的体力のある人に使われ、認知症に対しては合併症として起こる頭痛やめまい、高血圧の悪化、神経の緊張による肩こりの緩和に効果的とされます。

抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)

基本的には抑肝散と同じく、神経の高ぶりや過敏などの神経症状に使われる漢方薬です。

抑肝散との違いは、より体力が低下した人にも使用できるという点。
体力が低下し、胃腸の働きも弱っている人に対しては、抑肝散陳皮半夏が使用されます。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

イライラやストレスによる動悸、胃炎、皮膚のかゆみの他、高血圧による不眠や神経症状などを緩和する作用のある漢方薬です。

比較的体力があり、のぼせぎみな人に対してよく使われ、認知症の合併症として現れる神経の高ぶりや高血圧による諸症状へ効果を発揮します。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

めまい、立ち眩み、頭重、肩こり、腹痛、冷え、むくみ、耳鳴り、シミ、しもやけなどの改善効果がある漢方薬です。

もともとは、女性の月経周期に伴う血行障害や不調を改善する目的で使用されていました。

近年ではやせて体力が衰え、東洋医学上「虚証(きょしょう)」と診断される認知症の人に対し、合併症で上記のような症状が現れた場合にも用いられています。

なお上記のうちどの種類の漢方薬を処方するのか、どのように組み合わせるのかは、患者本人の状態や体質、医師の判断によって大きく変わってきます。

詳しくは主治医に相談のうえ、患者の体質と状態に合うものを処方してもらってください。

おわりに:漢方薬は、合併症を含む認知症の諸症状に効果を発揮する

認知症の治療には、一般的な西洋薬の他に漢方薬が使われるケースがあります。よく使われるのは抑肝散、釣藤散、抑肝散陳皮半夏、黄連解毒湯、当帰芍薬散の5種類で、それぞれに認知症による神経の高ぶりや合併症を緩和する作用が期待できます。ただし、漢方薬の効き目には個人差が大きいです。認知症の症状緩和のために漢方薬を使用したい場合は、必ず医師に相談のうえ、患者の体質と状態にあったものを処方してもらいましょう。

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