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甲状腺機能低下症が原因で認知症になることがあるの?

認知症

認知症には加齢で脳が破損・委縮することによるものと、特定の疾患が原因となって発症しているものの、2パターンあります。
今回は疾患が原因で発症する認知症のうち、甲状腺機能低下症が原因で認知症になるケースについて、理解していきましょう。

甲状腺機能低下症で認知症になる?

甲状腺機能低下症は、首に位置する甲状腺という器官の働きが低下し、新陳代謝を司る甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまう病気です。
甲状腺機能が低下すると脳の働きも緩慢になるため、受け答えの遅れや意欲の低下、多少の物忘れなどが生じて、認知症のような症状が起こることがあります。

このため、認知症状から甲状腺機能低下症ではなく、アルツハイマー型やレビー小体型の認知症であると医師から誤診を受けるケースも、稀に報告されているのです。ただ、甲状腺機能低下症とアルツハイマー型などの認知症では、本的な原因が異なるため、当然ながら適切な治療方法も変わってきますよね。

アルツハイマー型・レビー小体型などの認知症の治療では、認知症の進行を遅らせる作用があり、心臓の規則的な動作を阻害する副作用のある抗認知症薬を投与するのが一般的です。
もし、誤ってこの抗認知症薬を甲状腺機能低下症の患者に投与すると、薬の副作用が強まり、甲状腺ホルモン量の低下で弱くなっている心臓の動作が、より阻害される恐れがあります。

甲状腺機能低下症による認知症状を、誤って認知症として治療してしまうと症状が悪化するばかりか、患者が命を落としかねない危険な状態になると理解しておきましょう。

甲状腺が原因の認知症は治療で治る?

甲状腺機能低下症による認知症状は、甲状腺の機能の低下で不足している甲状腺ホルモンを薬で補うことで、劇的に改善します。

治療には主にチラーヂン®Sという内服薬を使用します。
チラーヂン®Sは、もともと体にあるはずのものを補うための薬ですので、用法・用量に沿って服用する限りは副作用もありません。

ただし、いきなり薬で多量の甲状腺ホルモンを補給すると、心臓や肝臓など代謝にかかわる臓器に多大な負担がかかります。

このため、薬の服用は医師の指導のもと少ない摂取量から始めて、その後2~3か月かけて徐々に増やし、その人の体にとって必要な量を探っていくことになるのです。

なお、甲状腺機能低下症のために始めた治療薬の服用は、基本的に一生涯続きます。
血液検査で甲状腺ホルモンの量が正常値まで回復し、医師から「薬の服用を中止してもよい」という指示が出るまでは、服用をやめることはできません。

自己判断で薬の服用を中断すると、一気に症状が悪化し深刻な体調不良に陥る可能性がありますので、絶対にやめてくださいね。

おわりに:甲状腺機能低下症から、認知症状が現れる可能性は十分にある!

全身の代謝を司る甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンが不足すると、脳の働きが緩慢になり認知症に似た症状が現れることがあります。このような甲状腺機能低下症による認知症状は、一般的な認知症とは根本原因が異なるため、不足している甲状腺ホルモンを薬で補うことで劇的に改善します。ただし、医師に指示された用法・用量を守らず治療薬を服用したり、抗認知症薬を服用すると悪化の危険性もありますので、注意してくださいね。

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