寝たきり、または寝たきりに近い状態で介護を受ける時間が長くなるなら、寝室の介護リフォームを検討すべきかもしれません。
今回は寝室の介護リフォームにあたり、知っておくべき工事計画の立て方や、補助金を受け取れる可能性について解説していきます。
寝室の介護リフォームの計画の立て方とは?
高齢者がベッド上で生活時間の大半を過ごす前提で寝室を介護リフォームする場合、まず、家族の都合に合わせて寝室とする部屋を決める必要があります。
以下の条件を満たす部屋で、かつ、高齢者本人の希望や家族の生活ペースを考慮し、トイレに近い場所を寝室とするのがおすすめです。
介護用の寝室に適した部屋の条件
- ベッド1台なら最低8畳、2台なら最低12畳の広さがあること(介護スペース、車いすでの移動にかかる面積を考慮)
- 外や庭の景色を楽しむことができ、庭からの出入りもしやすい大きな窓がある(外出が困難で、寝室で長時間を過ごす可能性を考慮)
- 階段を昇降する必要のない、1階の部屋であること
- 本人の希望により独立した、または家族の生活空間に隣接した部屋であること
なおトイレが2階にしかない場合には、介護リフォームする寝室にポータブルトイレを設置するのも良いでしょう。
寝室の場所が決まったら、あとは家具の設置場所に合わせ、以下のような部屋の設備をどう設置するか決めていってください。
- 寝室を介護リフォームするときの計画の立て方
- 寝室を決めたら、高齢者本人の趣味に合わせ設置する物を決める
- 寝室とその出入り口からは段差をなくし、引き戸にして、バリアフリー化する
- 最初に介護ベッドの位置を決め、その周囲に移乗補助に使う手すりを設置
- ベッドから景色を楽しめる位置、高さに、プライバシーにも配慮し窓の設置を想定
- ベッドから見える位置にテレビを、介護者が使いやすい位置に収納の設置を想定
- テレビの周囲にコンセント、アンテナ線の設置を想定する
- 寝室の出入り口またはベッド周辺に、照明スイッチの設置を想定
- ※ただし、スイッチの高さは高齢者の状況により変えること。上肢に障がいがあるなら床面から90㎝前後、車いすを使うなら1m前後が一般的。
寝室の介護リフォームで補助金は使えるの?
介護を受ける高齢者にとって、また介護をする家族にとって快適な環境にするための住宅リフォームの一部には、介護保険制度の補助金が支給されます。
この「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用すれば、1割負担の場合で最大18万円、3割負担でも最大14万円の補助金が支給されます。
補助金を受け取るための最低条件は、以下2つを満たしていること。
- 高齢者住宅改修費用助成制度を利用するための最低条件
- 要支援1~2、または要介護1~5の認定を受けている
- 介護保険の被保険者が暮らす住所住宅の改修を行う場合
寝室の介護リフォームに伴う手すりの設置や床の床材の変更、段差の解消、扉の取り換えなども、補助金が支給される工事の項目に含まれています。
条件を満たし、然るべき手続きを踏めば寝室の介護リフォームにかかった費用は一部戻ってくると、ぜひ知っておいてくださいね。
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おわりに:寝室の介護リフォームは、補助金の申請を含め計画的に
1日の大半をベッドで過ごす高齢者にとって、寝室は寝るためだけの場所でありません。このため寝室は、本人にとって心地よく過ごすことができ、かつ介護がしやすい場所に設定する必要があります。本人の性格や希望、一緒に暮らす家族の生活ペースも考慮しながら、場所や設置する設備を決定しましょう。なお寝室の介護リフォームには、介護保険制度による補助金が支給されます。工事計画と一緒に、補助金手続きも忘れないようにしてくださいね。
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